先日開催されたBASEL WORLD 2015 にてTAG HEUER + intel + Googleが提携し
Android搭載の腕時計型ウエアラブル端末の開発に着手する事を発表したことは
ガジェット好きでアンテナが敏感な方であればご周知のニュースであると思います。
既に4月24に発売が決まっているApple Watchに対抗する為に、スイスの時計業界から
TAG HEUERが敢えて真っ向勝負を挑む形を取ったという事です。
業界全体としては機械式時計という方向性はキープしつつも、やはり目前の脅威である
Apple Watchを無視することは不可避と言った所でしょうか。
IntelにしてもGoogleにしても、要するに
『Apple Watch よりもクールなものを造ればいいんでしょ?』的な発想で
今回はTAG HEUERに白羽の矢が当たったと言った所でしょう。
TAG HEUER + intel +
Googleスタイリッシュな製品を作り出すには丁度良い感じのマッチングだと思います。
近代の腕時計の歴史を振り返る上で無視できない事件として、やはり70年代に日本
発で起こったクォーツショックが今回の出来事に重なって思い返されます。
あの時、水晶発振を腕時計サイズまで小型化したことは歴史上でもイノベーションで
あったのですが、今回もiphoneを代表とするスマートフォンが世紀の発明だとすると、
それと連動するスマートウォッチ等のウエアラブル端末は、当然ながら既存の腕時計の
驚異の対象とならないは筈がない為、駆逐される前に先手を打つ、攻撃こそ最大の防御
という訳ですね。
LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン) Watch GroupのCEOであり、
ウブロを成功させた実績を持つジャン・クロード・ビバー氏の決断は将来的には
どの様な評価をされるのでしょうか?
我々は、数年後、数十年後振り返って思い返すのではないでしょうか?
デジタルカメラの世界では、コンパクトデジタルという製品ジャンルがありますが、
スマートフォンの普及により現在ではすっかりコモディティ化した感があると思います。
長期的に見るとウエアラブル端末もこういった方向に向かっていくかと思いますが、
人間の価値観は多種多様でありまして、所謂ソシャゲのレアキャラとかガチャなんかに
大金を注ぎ込む人も居らっしゃいますし、スマートウォッチのスキン(画面)データを
パテック・フリップやオーデマ・ピゲが付加価値をつけて販売するのか?なんてことを
想像するとあながち非現実でもない所が恐いです。
しかしながら、工芸品、趣向品、芸術品としての腕時計は、全く逆の方向を進み続けて
ほしいと思います。PATEK PHILIPPEやVACHERON CONSTANTINの作ったクラシカル
な過去の作品群の良さを本当に理解してる方であれば、ウエアラブル端末などは一時の
流行に過ぎない事は、考えるまでもない事だと思います。
この件でもう一つ非常に残念だと思う事があります。
70年代のクォーツショックでスイス勢を駆逐したSEIKOや、ウォークマンで世界を席巻
したSONYといった日本を代表するイノベーティヴな企業が、昨今の流れの中で名前が
出てこない状況があります。
本件でも、スイスとシリコンバレーにしてやられて完全に蚊帳の外です。
日本人が持っていた先端技術を開発するスピリットはいつの日か大企業病という病に
侵され瀕死の状態になってしまったのでしょうか?
日本企業の復活を望む次第であります。
最後に4月24日発売予定のApple Watch ですが、今から10年以上経ちますでしょうか、
以前マーク・ニューソンがデザインしたアイクポッドというブランドが存在しましたが、
Apple Watchのデザインは、かなりマークニューソン的だと感じていたのですが、
色々と調べた所、Apple Watchはアップル社のデザイナーであるジョナサン・アイブと
マーク・ニューソンの共作で現在マーク・ニューソンはAppleに入社しているとのこと。
デザインはアイクポッドにかなり近いApple Watchですので、デザインからすると
かなり価格はお買い得感があると思います。
一方、ラグジュアリーラインの18K仕様のApple Watchですが、定価218万円と大変
高額な価格設定となっています。
デジタルデバイスは数年経てばCPU等の仕様が時代遅れになるのは必然ですし、
常に新しい製品がリリースされるのが常です。初代のiphoneを今使おうとしても
処理能力的に厳しいでしょう。Apple Watchにも同様の事が言える筈です。
ですので同じ218万円で時計を購入するなら、不変的な価値のある機械式腕時計を
選ぶ方が絶対にお勧めです。
『A. LANGE & SOHNE ランゲ&ゾーネ サクソニア オートマティック 380.032』
¥2,150,000
ため息が出るほど綺麗な内部の仕上げや、工作精度の高さを感じてください。
こちらであれば必ず、価格の対価としてご納得いただけるはずです。
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