私が初めてリシャール・ミルの時計を見たのは、2006年頃の銀座M&Rだったと記憶しています。
当時盛り上がっていたパネライのフェアがM&Rで開催されていたので、オリジナルの軍用パネライの実物が展示してあったこともあり興味があり足を運んだ際に、２階の展示フロアで見た異形な時計に抱いた印象は『なんだこのバカ高い時計は？』というのが率直な印象でした。最低でも500万円台から、展示していあったモデルは軒並み2000万越えでした。
それから縁あってGMTに転職しまして、数か月後、RM005の中古を取り扱ったのが、私が手に取った最初のリシャール・ミルだったと記憶しています。
当時の価格は中古で300万円台でしたが、それでもそれほど知名度のない時計で300万円というのは高額だと思っておりました。しかし数年後、完全にこの考えは覆されました、、、現在の市場価値は比較にならない程の高評価です。
その後、リーマンショックが起きて世界的な不況見舞われ、時計ビジネスも停滞する中で、GMTでも初のトゥールビョン搭載モデルの中古品の取り扱いがありました。RM002のローズゴールドでした。定価約2800万円の時計でしたが当時の中古売価は800万円台、初期の熱烈なリシャール・ミルフリークのお客様にお求め頂いた事を記憶しております。
当時は、フェラーリのF1チームクルーがリシャール・ミルを着けていたり、フェリペマッサのシグネチャーモデルRM011が発表されるなどして、F1や車好き界隈では徐々に知名度が上がって来ていましたが、まだまだ一般的には浸透していなっかたという認識でした。
転機が訪れたのは2010年、世界的なテニスプレイヤーであるラファエル・ナダル選手がアンバサダーとなり、同年キャリア・ゴールデンスラム達成しました。当時の最軽量トゥールビョンモデルRM027を着用しながらプレイしての達成に、リシャール・ミルが成功に導く時計だという印象を与えたことが、知名度が一気にブレイクするきっかけだったと言えます。
その後バッバ・ワトソンやヨハン・ブレイクがアンバサダーとなり、同様に結果を出しましたが、やはりナダルの印象は別格でした。
当店、時計専門店GMTはリシャール・ミルの中古取扱いにおいては、常にイノベーターであったと自覚しています。東京、いや日本でもリシャール・ミルがまだ黎明期であったころからその価値を認識し中古市場において付加価値を提供して来ました。これからもそうありたいと思っております。
本日ご紹介するモデルは、折しもその翌年、東日本大震災後の復興チャリティーオークションにて販売されたRM035、通称『ベイビー・ナダル』のプロトタイプです。通常モデルがロールアウトされる前に少量生産された内の1本で、大変希少なモデルです。
当時、オークションでの触れ込みは、世界で1本のみでしたが、
シリアルナンバーからは複数本作られていることが推測できます。片手に収まる程度の数ですが、、、
通常のモデルとの違いは、9時位置の”RM035″のロゴと、針の形状です。
通常モデルはRM035のロゴが赤表記ですが、このプロトタイプは白表記となっています。針は夜光の部分が抜けて穴が開いているような形状です。
【通常モデルRM035のロゴ・針】
現行モデルも良いですが、この様な歴史的意味のあるリシャール・ミルをコレクションに加えてみては如何でしょう。他店と一線を引く、時計専門店GMTだけがご提案出来るタイムピースです。
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written by GMT
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