手巻きデイトナの魅力

2022年02月23日

当店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

昨今時計業界の中で注目が集まったオークションと言えばパテック・フィリップがティファニーとの歴史170年の節目として、発表したRef.5711/1A-018が約7億円で落札されたというものではないかと思います。
このニュースは時計愛好家の方々にも大きな衝撃を与えたのではないでしょうか。
2/22日現在で持ち主として判明している人物も思わず納得してしまうような著名人ばかりです。
そんな時計業界の話題を度々さらっていくオークションですが、私にとって一番衝撃を受けたオークションは2017年10月26日にニューヨークで開催された、フィリップスオークションです。
ロレックスのコスモグラフ・デイトナRef.6239エキゾチックダイヤルが腕時計史上最高額の約20億円で落札されました。
この6239はポールニューマン本人が愛用したデイトナで、まさしく“ポールニューマンの中のポールニューマン”といえるでしょう。

近年ではミントコンデションではない物も1000万円オーバーとなることが多くなってきましたが、先日GMTにも新たな4桁のデイトナが入荷いたしましたので、今回はそちらのモデルについてご紹介いさせていただきます。

「ROLEX ロレックス デイトナ 6263 シルバー デイトナ表記無し クローズシグマ」
ROLEX ロレックス デイトナ 6263 シルバー デイトナ表記無し クローズシグマ

今回入荷したモデルは3代目デイトナといわれる「Ref.6263」 になります。
1970年から製造されたこのモデルは、それまでの手巻きデイトナの念願でもあったオイスターケース化を果たしたモデルです。
2代目までは非防水でしたが、プッシュボタンにスクリューダウン機構を搭載することで、50m防水を実現しました。

ROLEX ロレックス デイトナ 6263 シルバー デイトナ表記無し クローズシグマ

手巻きデイトナはモデルの性質上、それぞれのパーツのオリジナル性が非常に重視されます。
そこで今回入荷した個体の細かいディテールについて見ていきたいと思います。

まずはプッシャー

ROLEX ロレックス デイトナ 6263 シルバー デイトナ表記無し クローズシグマ

こちらの個体は通称「Mk4」と呼ばれるプッシャー
コレクター間での評価が高いのは「MK1 」「MK2 」「MK3」の溝なしと呼ばれるもので、本機についている「MK4」はオーバーホールや修理の際の交換用として用意された物になります。
現在の市場に流通している「6263」「6265」は「MK4」が多い印象です。

次にベゼル

ROLEX ロレックス デイトナ 6263 シルバー デイトナ表記無し クローズシグマ

プラスチックベゼルが搭載されている「6263」は、オリジナルから交換用まで4種類に分別されています。
本機に搭載されているのは「Mk4」と呼ばれるベゼルです。
プッシャーと同様に修理の際にメーカーにて交換された交換用ベゼルが「Mk4」にあたります。
最も分かりやすい特徴は、ベゼル3時位置に記されている「UNITS PER HOUR」の「S」が丸みを帯びた書体である点です。

どちらも残念ながらパーツの価値としては低くなってしまいますが、実用時計として使い、しっかりメンテナンスした結果と考えると仕方がないことなのかもしれません。

文字盤について

「6263」の文字盤デザインは現行の「116500LN」の参考になっていると言われるほど、整った顔立ちをしており、全体的に現行モデルに比べるとシャープな印象で、私個人としては「6263」の方がデザインとして秀逸だと思っています。

少し話が逸れてしまいましたが、本機に搭載されている文字盤はダイヤルの6時位置に『σ』シグママーク表記があります。
「6263」の初期ダイヤルの特徴で、σマークは文字盤に金などの貴金属が使用されていることを示す表記です。
1970年から製造されていた「6263」ですが本機のシリアルが 33※※※※※(1971年頃の製造)であることを考慮すると、間違いなく初期ダイヤルとシリアルが合致しているので、コレクションの要素として見れば大きな強みと言えます。

2代目の手巻きデイトナ「6262」「6264」から引き続き、クロノグラフムーブメントとして名高いバルジュー社製の72系をベースにロレックスが改良したCal.727を採用。
テンプの耐震装置には当時の最新技術であった「キフ・ウルトラフレックス」を採用し、振動数を21,600振動にする事で、高精度化が図られています。

最後はベゼルについて

ROLEX ロレックス デイトナ 6263 シルバー デイトナ表記無し クローズシグマ

1960年代後半~1970年代半ばに製造されたモデルに付いていたブレスです。ステンレス製の板を丸めて巻き込んだ巻きブレスとなっています。この年代の間のフラッシュフィットには『271』『371』が存在していますが、分離型と一体型で差別化されており、本機はフラッシュフィット一体型の『371』が採用されています。

本日は新入荷の「6263」をご紹介させていただきました。
デイトナの高騰が市場では続いていますが、ぜひこちらの4桁モデルも注目していただければと思います。

「ROLEX ロレックス デイトナ 6239 ポールニューマン エキゾチックダイヤル 黒/赤巻き」
ROLEX ロレックス デイトナ 6239 ポールニューマン エキゾチックダイヤル 黒/赤巻き

現在GMTでは、デイトナ 6239 ポールニューマン エキゾチックダイヤルを始め複数の手巻きデイトナを揃えています。是非ご覧ください。

今回ご紹介した腕時計はこちら
「ROLEX ロレックス デイトナ 6263 シルバー デイトナ表記無し クローズシグマ」
「ROLEX ロレックス デイトナ 6239 ポールニューマン エキゾチックダイヤル 黒/赤巻き」

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