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今回は、時計ファンの中でも特に「知る人ぞ知る」存在でありながら、その実力と美しさで近年急速に評価を高めているブランド、H.モーザー(H.MOSER & CIE.)をご紹介します。
広く親しまれる有名ブランドとはまた違った個性を持つ、真の“通好み”ウォッチ。
その魅力に迫ります。
▼H.MOSER & Cie. モーザー パイオニア センターセコンド 3200-0903
H.モーザーは、1828年にハインリッヒ・モーザーによってロシアのサンクトペテルブルクで創業されました。
彼は卓越した時計製造技術と先見の明のある実業家としての才能を兼ね備え、ロシア皇帝や貴族を顧客に持つほどの名声を確立します。
その後、故郷であるスイスのシャフハウゼンに帰還し、町の工業化に大きく貢献しました。
しかし、20世紀後半のクォーツショック(日本製クォーツ式時計の台頭)の荒波は、多くのスイスブランドと同様にモーザーをも襲い、ブランドは長きにわたる休眠状態に陥ります。
転機が訪れたのは2002年。
時計業界のベテランによってブランドは復活を遂げ、2012年にはスイスのメイラン家が率いるファミリー企業となり、完全に独立したマニュファクチュールとしての新たな歴史を歩み始めます。
特筆すべきは、ムーブメントの心臓部であり、製造が極めて困難なヒゲゼンマイや脱進機といった調速機構の部品までを自社グループ(系列会社のPrecision Engineering AG)で一貫して製造している点です。
これは、時計業界全体でもごく一握りのブランドしか実現できていない、真のマニュファクチュールの証と言えます。
この高い技術力を背景に、H.モーザーは「VERY RARE」という哲学を掲げています。
これは単に希少性を謳うだけでなく、本質を理解する顧客のために、細部にまで魂を込めた時計作りを行うという姿勢の表れです。
その哲学に基づき、年間総生産本数はわずか約2,000本に厳しく制限されています。
ブランドのコレクションの中でも、「パイオニア」はその名の通り「開拓者」を意味し、最も現代的でスポーティーな位置づけです。
パイオニアはアクティブなライフスタイルにも対応できる堅牢性と実用性を兼ね備えています。
その特徴は、コレクション内でやや大きめに設計されたケースサイズと、高い視認性を確保するためにスーパールミノバが塗布された力強いリーフ針とアプライドインデックスに表れています。
このモデルで採用されているのは、18Kレッドゴールドと、ブラックDLC(ダイヤモンドライクカーボン)加工を施したチタンという異素材のコンビネーションです。
DLCコーティングは、F1マシンのエンジンパーツなどにも利用される極めて硬質で耐傷性に優れた表面処理技術。
これにより、ゴールドの持つ華やかさと高級感を損なうことなく、軽量でタフなツールウォッチとしての一面も併せ持つ、独創的な一本に仕上がっています。
H.モーザーの時計を語る上で欠かせないのが、その顔である「フュメダイヤル」と呼ばれる文字盤です。
「フュメダイヤル」は、中央から外周にかけて色が深まる独特のグラデーション仕上げが特徴です。
この美しい濃淡は、文字盤に特殊な塗装工程を施すことで生み出されており、その繊細な表情から「煙(fumé)」と呼ばれています。
ブランドロゴさえも最小限に抑え、文字盤そのものの美しさで魅せるという、モーザーのミニマリズムと美学が凝縮されたデザインです。
シースルーバックから覗くのは、100%自社開発、製造された自動巻きキャリバー「HMC 200」です。
このムーブメントは、現代のライフスタイルに即した実用性を重視して設計されています。
香箱を大型化することで、約72時間(丸3日間)という長いパワーリザーブを確保。
金曜の夜に時計を外しても、月曜の朝まで動き続けているという利便性は、多忙なオーナーにとって嬉しいポイントです。
また、審美性も一切妥協していません。
受け石には27石のルビーを使用し、ブリッジにはモーザーの伝統的な仕上げである「モーザーダブルストライプ」と呼ばれる美しい縞模様が施されています。
見えない部分にまで行き届いた丁寧な仕上げは、独立系マニュファクチュールならではの矜持を感じさせます。
パイオニア・コレクションが目指したのは、究極のオールラウンダーです。
ねじ込み式リューズの採用により120mの防水性能を確保。
これは、突然の雨や手洗いはもちろん、ヨットや海水浴といった水辺のアクティビティにも安心して対応できるスペックです。
装着されるラバーストラップは、汗や水に強く、腕へのフィット感も抜群です。
このように、H.モーザー パイオニア・センターセコンドは、ドレスウォッチが持つエレガンスと気品、そしてスポーツウォッチに求められる堅牢性と実用性を見事に融合させています。
ビジネスシーンから休日のカジュアルな装い、さらにはリゾートでのアクティブな時間まで、あらゆる場面でオーナーの腕元を格上げしてくれる、まさに理想的な一本と言えるでしょう。
▼本日ご紹介した商品はこちら
H.MOSER & Cie. モーザー パイオニア センターセコンド 3200-0903
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