当店では、ペキニエ マニュファクチュール、ヴェルト、に続き
世界初のメカニカルアラームを実現した「ヴァルカン」の正規取扱を始めました。
そこで、ヴァルカンの歴史について少々。
1858年、職人モーリス・ディティシャムがラ・ショード・フォンに「モーリス・ディティシャイム工房」を設立。
その約30年後の1889年には、パリ万博にて超複雑懐中時計「ラ・ヴァレ・ド・ラルヴ No.2259」が銅賞を受賞しました。
18K製ケースに七宝細密画、周囲には真珠をセッティングした豪華なこの懐中時計は
ムーンフェイズ付きパーペチュアルカレンダー、グランド・ソヌリ(正時と15分ごとの時刻経過をゴングで告知)、ミニッツリピーターを搭載した技術力の高さを証明するものでした。
パリ万博から2年後、モーリスの息子エルネスト・アルベールに経営を譲渡。
生産能力の拡大に着手するため、新しい工場を建築し、1898年10月には社名を
「ディティシャイム&Cie – モーリス・ディティシャイムの後継者 – ヴァルカン社」に
変更しました。
ここで初めて「ヴァルカン」という社名が登場することとなったのですが、
そもそも「ヴァルカン」とはラテン語で「武器と華麗な装身具を作る鍛冶職人」を
意味する言葉で、どういった経緯でこの言葉が選ばれたのかは不明ですが、
これほどふさわしい名称はないのでしょうか。
マニュファクチュールの地位を確立したヴァルカンは20世紀を迎えても発展し続け、
1947年、ついに世界初のメカニカルアラーム機構を搭載した腕時計
「クリケット」が誕生しました。
アラーム機構はそれまで懐中時計には搭載されていましたが、腕時計に搭載したのはヴァルカンが世界初!
腕時計への具体的には小型化したアラーム機構の搭載方法、
着用者が気付くほどの音響を持ちながらも時計機構の精度と
防水性能に悪影響を与えない共鳴振動機構、そして充分な動力機構が必要でした。
この難題を解決出来たのは、物理学者ポール・ランジュヴァンからの助言
「コオロギのような小さな生き物が30m以上離れても聞こえるほど
大きな音を出せる以上、複雑な機構を収めた小さなケースもほぼ同じことが
できるはずだ」があったからこそ。
英語でコオロギを表す「クリケット」と名付けられたのもランジュヴァンからのアドバイスでした。
クリケットは世界に先駆けニューヨークで発表され、瞬く間に大センセーションを
起こしました。
その影響は歴代大統領にまでおよび、トルーマン、アイゼンハワー、ジョンソン、
ニクソン等多くの大統領に愛用されました。
しかしこの後、巨大で強力な競合時計会社が群雄する中、ヴァルカンはしばしの間
休眠状態に入りますが、わずか15年後の2002年にはスイスのルロックル市で復活を遂げ
更なる開発を進めています。
日本での発売が開始されたのは2012年のことなので国内ではまだあまり知られていないかもしれませんが、
ヴァルカンは長い歴史の上で開発を続け、発展し続けてきた時計なのです。
今回当店には5モデル入荷したのですが、なかでも一押しは
「50s プレジデンツ・ウォッチ ”ハービーハンコックモデル”」。
https://www.gmt-j.com/item/2717002446054
言わずと知れた名ジャズピアニスト、ハービー・ハンコックのスペシャルモデルで250本の限定生産です。
もちろん、ヴァルカンの代名詞「クリケット」同様、アラーム機能を搭載。
ミッドナイトブルーの文字盤にドーム型のサファイアガラス風防は大人の時計です。
裏蓋はシースルーになっておりますので、アラームが発動した時のゴングが振動する様子を眺めることができます。
さらにうれしいのは、保証について。
通常の2年保証に加え、ご購入後2年以内に無料点検を受けて頂ければ、
ご購入日から4年間の国際保証へと延長されます。
末永く安心してご利用いただくために、保証も充実したヴァルカンの時計。
是非、一度お手に取って長い歴史に裏付けされた確かな技術をお確かめ下さい。
▼ヴァルカンについて▼
https://www.gmt-j.com/html/vulcain/index.html