スポーツウォッチと聞くと、ダイバーズウォッチやラグジュアリースポーツウォッチを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし、時計業界において長い歴史を持ち、今なお根強い人気を誇るジャンルのひとつがパイロットウォッチです。
航空機の操縦士が使用する計器として発展した背景を持つため、高い視認性や操作性を重視した設計が特徴です。
また、それぞれのブランドが航空史とどのように関わってきたのかを知ることで、時計そのものの魅力もより深く感じられます。
一方で、パイロットウォッチと一口にいってもその個性はさまざまです。
航空時計としての実用性を現代的なスポーツウォッチへ昇華したものもあれば、軍用航空時計の歴史や伝統を色濃く残したものもあります。
今回はその中から、異なる魅力を持つ2本をご紹介します。

IWC インターナショナルウォッチカンパニー パイロットウォッチ パフォーマンス クロノグラフ 41 AMG IW388305
IWC インターナショナルウォッチカンパニー
パイロットウォッチ パフォーマンス クロノグラフ 41 AMG IW388305
IWCは1930年代から航空時計の製造を続けており、パイロットウォッチを代表するブランドのひとつとして知られています。
その中でもIW388305は、従来のパイロットウォッチのイメージにとらわれない存在です。
この時計から感じられるのは、航空機よりもむしろ高性能なスポーツカーに近い世界観です。
IWCはメルセデスAMGとのパートナーシップを長年続けており、その関係性がデザインや素材選びにも反映されています。
ケース素材にはチタンを採用。
ステンレススチールと比較して軽量なため、41mmというサイズ感でありながら腕への負担を抑えています。
見た目にはしっかりとした存在感がありながら、実際に着用すると軽快に感じられる点は大きな魅力です。

軽量かつ堅牢なチタンケースを採用
タキメーターが生み出すスポーティな個性
一般的なパイロットウォッチでは航空計器を思わせるシンプルな表示を採用することが多いですが、この時計はベゼルにタキメータースケールを備えています。
これにより、航空時計らしい機能美とレーシングクロノグラフのスポーティな印象が共存しています。
また、視認性の高さもIWCらしいポイントです。
時刻表示とクロノグラフ表示が整理されており、必要な情報を瞬時に読み取ることができます。
これはパイロットウォッチに求められる本質的な要素であり、単なるデザイン上の特徴ではありません。
日常生活においても時間を確認しやすく、実用時計としての完成度の高さを感じさせます。

優れた視認性とタキメーターベゼルの融合
自社製クロノグラフムーブメントの魅力
搭載されているキャリバー69385は、IWCの自社製クロノグラフムーブメントです。
コラムホイール式を採用しており、プッシュボタンを操作した際の感触も良好です。
クロノグラフは見た目だけでなく、実際に操作した際の感触も満足度を左右する機構ですが、その点でも高い完成度を誇ります。
さらに裏蓋はサファイアガラス仕様となっており、機械式時計ならではの動きを楽しむこともできます。
スポーティな外観を持ちながら、時計好きが求める機械的な魅力もしっかり備えた一本です。

IWCの自社製クロノグラフムーブメント、キャリバー69385
BREGUET ブレゲ
TYPE XX タイプトゥエンティ タイプ20 クロノグラフ 2057ST/92/SW0
ブレゲは1775年創業の歴史あるブランドです。
クラシックなドレスウォッチの印象を持たれることが多い一方で、航空時計の分野でも重要な歴史を持っています。
タイプ 20は1950年代にフランス軍航空部隊向けとして開発された時計をルーツとしており、現代のパイロットウォッチを語るうえでも欠かせないシリーズです。
2057ST/92/SW0は、その伝統を受け継ぎながら現代的な性能を備えた一本となっています。

BREGUET ブレゲ TYPE XX タイプトゥエンティ タイプ20 クロノグラフ 2057ST/92/SW0
軍用時計由来の実用性とブレゲならではの上質さ
この時計の魅力は、実用時計としての力強さと高級腕時計としての美しさを両立している点です。
大型のアラビア数字、優れた夜光性能など、航空時計として求められる要素をしっかり備えています。
一方で、細部の仕上げにはブレゲならではのこだわりが見られます。
単なるツールウォッチではなく、高級時計ブランドが手掛ける航空時計としての品格が感じられます。
そのため、カジュアルな服装だけでなくジャケットスタイルとも合わせやすく、幅広いシーンで活躍します。

ツールウォッチの枠を超えたブレゲ独自の品格
フライバック機能を備えたキャリバー7281
内部には自動巻きキャリバー7281を搭載しています。
最大の特徴はフライバッククロノグラフ機能です。
通常のクロノグラフでは停止、リセット、再スタートという3段階の操作が必要ですが、フライバック機能では一度の操作で計測を再開できます。
もともとは飛行中に複数の区間を連続して計測するために生まれた機構であり、航空時計との関係が非常に深い機能です。
単なる便利機能ではなく、この時計のルーツを象徴する存在ともいえます。
また、シースルーバックからはムーブメントの仕上げを鑑賞することができ、歴史と技術の両方を楽しめます。

伝統と最新の技術が息づくキャリバー7281
まとめ
今回ご紹介した2本は、どちらも航空時計という共通のルーツを持っています。
しかし、その魅力の方向性は大きく異なります。
IWC パイロットウォッチ パフォーマンス クロノグラフ 41 AMGは、航空時計の視認性や機能性をベースにしながら、モータースポーツの世界観を融合させた現代的な一本です。
一方のブレゲ タイプ XX クロノグラフは、フランス軍航空時計の歴史を受け継ぎながら、高級時計ブランドならではの品格と技術力を感じさせます。
最新のスポーツウォッチらしい力強さを求めるならIWC。
航空時計の歴史や伝統、そして機械式時計の奥深さを楽しみたいならブレゲ。
同じパイロットウォッチでありながら、選ぶ楽しさを存分に味わえる2本です。
















