当ブログをご覧の皆様こんにちは。
先日のブログでもご紹介しました通り、今ラグスポが“熱い”です。
本日はパテック・フィリップのラグジュアリースポーツモデルの原点をご紹介致します。
パテック・フィリップが初のステンレス製の高級スポーツモデルを発表したのは今から46年程前の1976年のことです。
制作に携わったのは、オーデマ・ピゲのラグジュアリースポーツコレクションのロイヤルオークのデザインも手がけたジェラルド・ジェンタ氏。
ジェラルド・ジェンタ氏がラグジュアリースポーツの生みの親とされるのもこのことが所以です。
“ノーチラス”の名前はフランスのSF小説、『海底二万里』に登場する潜水艦“ノーチラス号”から来ています。
ノーチラス号をモチーフにした潜水艦等が登場する作品が多くございますので、原作の小説を読んだことが無い方でも名前を聞いたことあるという方は多いのではないでしょうか。
また、名前だけでなく、ノーチラス号の舷窓をモチーフとしてデザインが行われています。
他の時計に無い、この時計だけの特徴的なデザインはなんといっても「耳」と呼ばれるケースの左右の飛び出した部分ではないでしょうか。
このデザインは時計の防水性を高めるために付けられています。
裏蓋を独立させずに一体化させたケースでムーブメントを挟み込み、ベゼルの耳でケースを固定することにより、非常に薄型でありながら120mの防水性を確保しています。
ノーチラス発表当時の広告には、時計を潜水艦に見立てた構図のものもあり面白いです。
またもうひとつ、発表当時のポスターに、スーツを身に纏い、ノーチラスを身に着けた男女の手首をメインに構成している印象的なものがございます。
一目見ただけで、ドレスウォッチのようにスーツにも似合うモデルという、ラグジュアリースポーツらしいコンセプトを伺うことができます。
広告から時計のコンセプトを読み取るというのも楽しいので、お時間があるときにでもぜひ各社の広告をご覧になってみてください。
パテック・フィリップ ノーチラス ジャンボ 3700/1AJ シャンパン
https://www.gmt-j.com/item/3717009772926
元祖ノーチラスは“ジャンボ”という愛称で呼ばれます。
発表当時としては大きい40mmのケースサイズからこの愛称が生まれました。
元祖ノーチラスは製造数が少ないことも有名です。
ステンレスモデルの3700/1Aの製造本数はわずか1200本程度とされていますが、今回入荷したイエローゴールドとステンレスのコンビのこちらのノーチラスの製造本数はさらに少ない600本程度と言われています。
中でもこのシャンパン色の文字盤はさらに希少です。
搭載されているムーブメントはジャガールクルトの名機「Cal.920」をベースに、パテック・フィリップがモディファイを加えた「Cal.28-255C」。
ムーブメントの直径28mm、厚さはわずか2.55mmです。
ちなみにこのジャガールクルトのムーブメントは、名称はそれぞれ異なるのですが、オーデマ・ピゲのロイヤルオークに「Cal.2121」として、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズの元となったと言われるモデルに「Cal.1120」として搭載されています。
ラグジュアリースポーツモデルを牽引する3社が同じムーブメントを使用していたなんて、おもしろくはないですか。
なかなか市場に出回らない歴史的モデルですので、ぜひコレクションに加えることをこの機会にご検討くださいませ。