お久しぶりです、近藤です。
先日、映画の配信サイトHuluで配信中の『バック・トゥー・ザフューチャー』(ロバート・ゼメキス監督、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮 1985年 アメリカ映画)を数十年ぶりに見ていた所、物語も終盤にさしかかりマイケル・J・フォックス扮するマーティーが、ギターを弾くシーンをぼんやりと眺めていて、ある疑問を抱きました。
彼が弾いているギターを見ながら。頭のなかで色々な事が浮かんできました。
『ハムバッカーか、GibsonのES-335かな?』
『いや、バリトーンスイッチ付なのでES-345のチェリーレッドだな、、、』
『ビグスビーアーム使用かぁ、、、』
『ピックガードや、フィンガーボードのインレイからの形状1959~1960年製かな?』
『ん?待てよ、映画の設定では今年だ!?たしか1955年のはず!!』
『おおっ、在るはずのないギターをマーティーが弾いている!』
となった訳です。
上映当時の私と言えばまだ中学年でしたので、『マイケル・J・フォックスって結構ギターも巧いんだなぁ』ぐらいの印象でしたが、
時の流れとは恐ろしいもので、ギターのディテールで年式が判ってしまうような、どうでもよい知識を私が知らぬ間に身に付けてしまったが為に。
肝心の映画のストーリーに全く集中できない始末となりました。
この映画に関わっているスティーブン・スピルバーグは時代考証に変質的に拘るタイプの人間で、彼が関与しているにも拘らずなぜ?という意見や、
劇中でマイケル・J・フォックスが演奏するチャック・ベリーの『ジョニー・ビー・グッド』を演奏している所を、電話越しにチャック・ベリーの従弟がチャック・ベリーに聞かせるシーンがある為、あえて1955年存在しない筈のチャック・ベリー使用のES-345 チェリーレッドに拘ったとか、色々な意見がある様です。
私的な結論は、マーティーとドクがタイムスリップすることによりタイムパラドックスが発生し、過去の事実が捻じ曲げられて1958年から製造開始している筈のGibsonのES-335シリーズが1955年発売に早められたと考えて納得することしました。
あと数日で2015年ですが、2015年は『バック・トゥー・ザフューチャーPart.2』で、
マーティーとドクがタイムスリップする未来の舞台となった年だそうです。
映画の中で出てくるホバーボードも完成しているというニュースも聞きました、ワクワクしますね!
つくづく時間の経つのは早いなぁと思う次第です。
さて本題に入ります。ちょうど1年ほど前にPATEK PHILIPPE JAPAN 経由でスイス本国でのOHの旅に出ていた、ヴィンテージパテックの王道『トロピカル』Ref.2526Jが、この度当店に戻って参りました。修理期間1年間、修理金額30万円超、いつもながら本当に忘れた頃に戻ってきます。
更に付け加えますと、この度奇遇な事に、お客様よりご委託品として同年式の同一商品を2点お預かりしまして、トロピカルが3本揃うという希少な事象が起きました。
しかも全て1954年製造のエクボダイヤルです。
販売年は『バック・トゥー・ザフューチャー』の舞台となった1955年です!
60年という時を超えて、ここに一堂に会した三つ子の兄弟は、それぞれ年輪を重ねながら個性的にそれぞれの違いを見せてくれます。
ご紹介いたします。
シリアルナンバーからこの3本中では長男であろうと推測される個体。
60年前の時計ですので、当然ですが複数回のポリッシュが施され、ケースは若干丸みを帯びています。
文字盤11時近辺には微細なクラックが発生しています。
一新時計時代のオーバーホールと当時のボックス明細が付属いたします。
販売価格¥4,480,000-(税込)※ご委託品
次男坊です。こちらは驚くべきコンディションです。
状態から推測するにおそらくノンポリッシュであろうケースのエッジとボリューム感が凄いです。画像から比較して下さい。
針や文字盤のコンディションもフルオリジナルであろうかという雰囲気です。
ストラップや尾錠もオリジナルの物が付属しています。
付属品としてオリジナルのボックス(内外箱)も付属いたします。
こちらでの公表は差し控えますが、こちらの個体は某有名店の出所です。ご興味ある方はお問い合わせください。
販売価格¥5,280,000-(税込)※ご委託品
三男坊。こちらは当店在庫です。
今回、1年間という時間をかけてスイス本国にてオーバーホールを完了しています。
次男坊には負けますが、ケースは若干丸みは有るもののオリジナルの形状を彷彿とさせます。
文字盤10時位置には若干の染みがあるもののクラックは御座いません。
エクボの窪み具合はこの個体が最も顕著です。
販売価格¥5,280,000-(税込)
1957年製のブレスレット仕様も在庫有りです
販売価格¥4,968,000-(税込)※ご委託品
1953年から1960年頃にかけて約2700個程度製造されたとされる。内イエローゴールドは約2300個。
搭載キャリバーは、当時のパテックフィリップ社の技術を終結させたと言われるCal.12-600。18Kを贅沢に使った肉厚のローターにギョシェ彫りが圧巻です。
(画像はOH前の撮影です)
強い日差しの下でも劣化しにくい陶製ダイヤルを採用していることから通称トロピカルと呼ばれる。初期製造分の文字盤に見られる、アップライトインデックスの取り付け部分の窪みから、その特徴を持つ文字盤はエクボダイヤルと呼ぶ。
当時の売価設定はクロノグラフを上回る価格設定であったことから、
パテックフィリップ社が威信をかけて送り出したモデルであることが伺えるビンテージパテックの王道モデルです。
60年の歴史を色々な場面を見ながら時を刻んできた時計達のリユニオンです。
お探しの方は是非この機会にGMTでご購入下さい!!