当ブログをご覧の皆様、こんにちは。
以前「ベゼル」に視点を当てたブログを書かせていただきましたが、今回は『風防』に視点を当て、種類や特色、また使用されている時計を簡単にご紹介したいと思います。
目次
《 風防とは 》
「風防(ガラス、クリスタルとも呼ばれる)」とは、ほこりや水、衝撃などから時計の文字盤を守るパーツのことを指します。
※上記の写真でいえば、クリスタルに当たります。
文字盤が見えやすいように基本的には透明なガラスのようなものが使用されており、複数の種類があります。
また、その種類も似たように見えますが、各特色があり、メリットやデメリット、その時計のコストやデザインなどから最適な風防素材が選ばれます。
ぜひ、今後時計を見比べる際のポイントにしていただければと思います。
《 種類 》
大きく分けて種類は３つ。
【 サファイヤクリスタルガラス 】、【 プラスチックガラス 】、【 ミネラルガラス 】です。
【 サファイアクリスタルガラス 】
多くの高級時計に使用されている素材で、当店にて販売している時計の風防もこの素材が一番多く扱われています。
純度の高い酸化アルミニウム「アルミナ」を原料とした人口鉱石で、宝石のサファイアと成分が同じことからその名がつけられました。
ちなみに成分は同じでも人口素材なため、宝石とは区別されているそうです。
また、優れた素材なため、コストがかかりますが、“硬さ”という魅力がある素材です。
具体的にどれぐらい硬いかというと宝石の硬さを1～10で表す「モース硬度」に当てはめると、サファイアクリスタルガラスは硬度9。
通常スマートフォンに使用するゴリラガラスより硬いため、近年ではiPhoneなどのスマートフォンやApple Watchなどにも使用されています。
その硬度故に、傷つきにくいのが利点ではありますが、裏を返せば加工がしにくいため、風防に使用する際はフラットになっているものが多く見られます。
また、割れるときは粉々に砕けてしまうため、扱い方には十分お気を付けください。
また、原則無色透明なものが多いですが、ロレックスが独自に開発し、「ミルガウス」のみに使用した「グリーンサファイアクリスタルガラス」などもあります。
ロレックス ミルガウス 116400GV ブラック ランダムシリアル
【 プラスチックガラス 】
1970年頃からガラス製の風防が増え、現在使用されるモデルは減っていますが、プラスチックガラスは、風防の歴史の中で最も古くから使われている素材です。
その名の通り、合成樹脂で作られたプラスチック素材となり、「有機ガラス」や「アクリルガラス」、「プレキシガラス」とも呼ばれ、現行のオメガのスピードマスターやパネライのルミノール、またアンティークモデルに使用されています。
オフィチーネ パネライ ラジオミール 1940 3days アッチャイオ PAM00790【世界限定500本】
※こちらにはプレキシガラスが使用されています。
紫外線による樹脂の変色や擦り傷などがつきやすいのが難点ではありますが、風合いを感じることができる素材なため、それも味としてお楽しみいただけ、プラスチックは軽量で防水性に優れており、多少の傷は研磨で傷を目立たなくすることができます。
また、オメガのスピードマスターにプラスチックガラスが使用される理由の１つとしては、その割れにくさと、割れた場合もサファイアクリスタルガラスのように粉々にはならない点だといわれています。
宇宙空間での着用を想定すると、粉々に割れてしまっては危険です。このことから、素材の特色を見てこの素材が選ばれたことがわかります。
オメガ スピードマスター プロフェッショナル メタルバック 311.30.42.30.01.005
また、硬度は2と柔らかく、加工もしやすいため、多くのモデルは強度をあげるためにドーム状に加工されています。
「ドーム状の風防=昔主流なプラスチックガラスのイメージ｣もあり、他の素材でも高度な技術を使用してアンティーク調にするためにドーム状の風防にすることもあります。
【 ミネラルガラス 】
「無機ガラス」とも呼ばれる風防素材の一つで、一般的なガラスを示し、風防素材の中で唯一本物のガラスとなります。
硬度はサファイアクリスタルガラスとプラスチックガラスの間（硬度でいうと3～6）で、安価なのが特徴です。
しかし、簡単に傷つき、割れてしまうため、上にコーティング加工を行ったり、プラスチックガラス同様に、強度を上げるためにドーム状に形成されていることが多いです。
プラスチックガラスとは違いとしましては、研磨できないため、傷が残ってしまうのはデメリットです。
しかし、他の2つにはない安価な面と、加工のしやすさより、カジュアルウォッチなどに多く使用されています。
ヴェルト SERENDIPITY Model C Gentle Lily VSC00WT-LWT1
どの素材も作られる時計の特色に基づき、素材が選ばれています。
当店の掲載ページにはガラス素材の記載もございますので、ぜひ掲載ページをご覧の際にそちらもチェックしてみてください。
また、素材によって温度感や爪で軽く弾いた時の感覚の違いなどもあり、今まで同じように見えていたものも違いを知ると実際に手に取ってみた際に面白く感じていただけるかと思います。
当店、新宿に店舗を構えておりまして、そちらでは実際にお手に取ってご確認いただけます。
遠方のお客様にはお見比べいただくことが難しいのですが、何か気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
店舗情報はこちらから
※7月8日現在、営業時間は【 11:30～19：30 】となっています。
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また、いくら硬い素材と言っても風防が欠けたり、傷がついてしまうこともあります。
本当に風防にヒビが入ってしまったのか、それとも上のコーティングが引っかかってしまっただけなのか、交換が必要なのかなど、疑問点やご不安などがあるかと存じます。
当店にてご購入頂きました商品は当店を通して修理依頼を行うことも出来ます。保証の有無や購入履歴などがご不明の場合も当店でお調べさせて頂きますので、何かございましたら1度ご相談くださいませ。
修理・アフターメンテナンスについてはこちら
written by 後藤
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