こんにちは高橋です。
今日は時計ファンの憧れ、『トゥールビヨン』についてお話したいと思います。
まず、トゥールビヨンについて簡単にご紹介させていただきます。
そもそも時計は、ゼンマイの動力をいくつかの歯車を経由し、時計の心臓部分といわれる脱進機(エスケープメント)に伝え、脱進機の働きにより1分、1秒を作り出しています。
その脱進機の動きが時計の精度をつかさどっているわけですが、様々な事柄がその動きに影響を与えることで時計の精度に変化をもたらします。
前回お話した『磁気(http://blog.gmt-j.com/gmtblog.php?itemid=4565)』もその一つですが、ここではもっと身近で避けようのないもの『重力』のお話です。
時計、特に脱進機構は非常に繊細で、そこにかかる重力の方向によっても精度に変化が見られます。これを『姿勢差』と言います。
ですから一般に時計の精度を計るときは、文字盤を上に向けた姿勢やリューズを下に向けた姿勢など、いくつかの姿勢で測定を行います。
その姿勢差を補おうと発明されたのが今回のテーマ、『トゥールビヨン』です。
トゥールビヨンとは時計の機構の名称で、今お話しした脱進機自体を回転させ続けることで、そこにかかる重力の方向を常時変化させ、偏った姿勢、精度差に止めないことで、より高く安定した精度を求めるという機構です。
この機構は現ブレゲの創始者、アブラアン=ルイ・ブレゲが18世紀終わりから19世紀にかけて発明したとされ、腕時計になるのはそれから約150年後の話です。
初めてトゥールビヨンを搭載した腕時計を発表したのは1930年、フランスのLIP社と言われています。
それから80余年の歳月が流れた今でもトゥールビヨンは機械式時計としては最高峰の複雑機構に数えられ、今も多くの時計ファンの憧れとなっています。
トゥールビヨンはその複雑さゆえ、腕時計のサイズに納めるには各部品を極めて軽量に、かつ高精度に製作しなければなりません。
それには熟練の技術者でも製作に長期間を要するとされています。
当店では幸いなことに現在2点ものトゥールビヨンを扱い、販売させていただいております。
まず一つ目が【フランクミュラー 5850TENG インペリアルトゥールビヨン】
https://www.gmt-j.com/item/3717001286582
天才時計師と言われたフランクミュラーがトゥールビヨンの製作に成功したのは1983年のこと。
以降数々の特殊なトゥールビヨン機構を開発し、トゥールビヨンの代名詞的なブランドとされています。
「フランクミュラーといえばトゥールビヨン、トゥールビヨンといえばフランクミュラー」と相互に名前が挙がるほど密接な関係にあるフランクミュラーのトゥールビヨン。
フランクミュラーを代表するトノー型ケースに納まったトゥールビヨンはシースルーの裏蓋からもその美しいエングレービングを堪能していただけます。
フランクミュラーの独創的なデザインがお好きな方にはもちろん、代表的なトゥールビヨンをという方にもお勧めできる逸品です。
もう一点は【F.P.ジュルヌ T-30 30thアニバーサリートゥールビヨン】
https://www.gmt-j.com/item/3717001364242
こちらも天才の呼び声高いフランソワ・ポール・ジュルヌ氏が時計製作30周年を記念して発表した特別なモデル。
氏が、やはり1983年に完成させた懐中時計型トゥールビヨンを腕時計化させて発表した特別な記念モデルです。
この時計は当時の作品に忠実に、18金とシルバーを用いたハンターケースの本体に収まり、ケースサイドや裏蓋の装飾も大変見事です。
また文字盤にはトゥールビヨンを発明したブレゲへの敬意を感じさせるブレゲ針を用いています。
ハンターケースバックを開けると、中から左右対称の均整のとれた大変美しいムーブメントを見ることができます。
あえて正面からはトゥールビヨン機構を覗けない奥ゆかしい構造も、まさに懐中時計的で非常に上品な逸本です。
99本のみの製作で$99,000だったとか。
いずれも国内での流通が数点のみの大変希少なモデルです。
是非一度店頭に見にいらしてみてください。
★今回のブログで紹介した時計はこちら★
【フランクミュラー 5850TENG インペリアルトゥールビヨン】
商品ページ⇒https://www.gmt-j.com/item/3717001286582
【F.P.ジュルヌ T-30 30thアニバーサリートゥールビヨン】
商品ページ⇒https://www.gmt-j.com/item/3717001364242