新認定規格「マスタークロノメーター」

2016年06月06日

「携帯電話が普及して、遅刻がさほど重要な問題ではなくなったよねぇ」

以前、50代の知人女性とそういう話をしたことがあります。
まだ固定電話が主流だった頃、友だちや恋人との待ち合わせは、
何時何分に何処でと決めたら数分の遅刻でも大問題だったと彼女は言っていました。

いずれにしても時間は守りたいものですが、すぐに連絡が取れるため、
待つほうも臨機応変に対応できるようにはなりました。
良いか悪いかは別として、便利な世の中です。

「ごめん、時計の時間が5分ずれていて!」
最近では、そういう言い訳も耳にしなくなりましたね。大切な人を待たせたりしない。
そういう大人になるために(?)、今日は時計の精度テストのお話です。

まず、ご紹介したいのがこちらの時計です。
OMEGA オメガ コンステレーション グローブマスター シルバー 130.30.39.21.02.001

コンステレーションが誕生したのは1952年。現在では、3時位置と9時位置に4つの爪が
あり一目でそれとわかる特徴的なデザインですが、それが採用されたのは1982年の
「コンステレーション マンハッタン」以降で、それ以前のモデルには爪はありませんでした。

こちらのグローブマスターは、初期のモデルを再現し、ダイヤルに1952年の
「コンステレーション クロノメーター」にインスパイアされた「パイパン(Pie Pan)」ダイヤルを備え、
ベゼルには1960年代のコインエッジベゼルを彷彿とさせる、フルーテッドベゼルを採用しています。

さらに、このベゼルには、「タングステンカーバイド(超硬合金)」を使用!!
こちら、電球のフィラメントなどにも使用される素材で耐熱性に優れ、
モース硬度がダイヤの「10」に次ぐ「9」と、とにかく硬い!!
ただのフルーテッドベゼルではないところがミソ。エッジが削れることはそうそうないでしょう。

などと、語るところはたくさんありますが、何より凄いのが、METAS(スイス連邦計量・認定局)における
時計の新しい認定プロセスを通過した「マスタークロノメーター」であるということです!

では、こちらの「マスタークロノメーター」。従来の「クロノメーター」何がちがうの?ということなのですが…。
以下、簡単にまとめます。

◆「クロノメーター」とは
「クロノメーター」という言葉は、ギリシャ語の「クロノス(時間)」と「メーター(測定)」に由来します。
公的機関、スイスクロノメーター検定協会(C.O.S.C. : Controle Officiel Suisse des Chronometres)が、
厳しい精度テストにパスした高精度なムーヴメントに与える認定のことです。
時計メーカーは自社のムーヴメントを、ケースに納めずムーブメントに文字盤と秒針のみが
装着された未完成の状態でCOSCへ送付します。

【検査内容】
5つの姿勢差(ポジション)と3つの温度差で、15日間にわたりムーヴメントの精度の検査を行い、
日差においてマイナス4秒以内プラス6秒以内という基準をパスする必要があります。
(※20mm以下のムーヴメントはマイナス5秒以内プラス8秒以内)

◆「マスタークロノメーター」とは
「マスタークロノメーター」の称号を得るには、COSCの認証を獲得したムーヴメントを搭載した完成品の時計が、
スイス連邦計量・認定局(METAS:Swiss Federal Institute of Metrology)の認定するテストに合格する必要があります。

【検査内容】
1.15,000ガウス(1.5テスラ)の磁場に触れた際のCOSC認証ムーヴメントの機能
  時計のムーヴメント単体を2姿勢で15,000ガウスの高磁場環境におきます。

2.15,000ガウスの磁場に触れた際の時計の機能
  ムーヴメントだけでなく、時計全体を15,000ガウスの高磁場環境におきます。

3.15,000ガウスの磁場に触れた際の一日平均の精度誤差
  時計を15,000ガウスの高磁場環境におき、24時間後に日差を記録します。翌日、時計の磁気を抜き、
  さらに24時間後に日差を算出します。この2日間の平均誤差をテスト結果とします。

4. 時計の平均日差
  4日間かけて6姿勢で、2つの異なる温度下に置き、15,000ガウスの磁場におきます。

5. パワーリザーブ機能の検査

6. 6姿勢における精度誤差

7. パワーリザーブ残量が33%と100%の際の時計の精度誤差

8. 防水性能

いかがでしょうか。ここまでするか!!と、圧倒してしまうほどの徹底っぷり。
この審査を見事通過した強靭なムーヴメントを持つのが、ダイヤルにこの「マスタークロノメーター」の刻印を持つ時計なのです。

ちなみに、裏蓋のシースルーケースバックから、この珠玉のムーヴメントをご覧いただけるわけなのですが、すべてシースルーにせず
、しっかりと初期モデルからの「高精度の象徴」である天文台のマークが残されているのが何ともオメガらしく有難いです。

これを身に着けていれば、スマートフォンではなく、腕時計で時間を確認したくなること間違いなし。
少し早めに待ち合わせ場所についても、だれかを待つ時間を飽きさせません。

↓オメガ商品一覧はこちら↓
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