当ブログをご覧の皆さまこんにちは。
執筆時点では2023年が始まって1週間程ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
2023年も変わらぬご愛顧をいただけますようお願い申し上げます。
年始の挨拶としては少々イレギュラーなタイミングとなってしまいましたが、本日ご紹介する腕時計も少々イレギュラーなコレクションと言えるかもしれません。
オメガ スペシャリティーズ CK859 511.12.39.21.99.002 シルバー
昨年2022年の新作として発表されたこちらの時計は、1939年のヴィンテージCK859を現代風に復刻したものとなります。
オメガと言えばスピードマスター、シーマスター、デ・ヴィル、コンステレーションによる4つのコレクションが代表的ですが、こちらはそのどれにも属さない正に特別なシリーズです。
モデルとなった「CK859」は、1930年代に非常に短い期間で造られたとされています。
初代シーマスターが1948年、初代スピードマスターが1957年に登場したことを考えると、その歴史の深さを感じることができるかと思います。
オメガにとっての1930年代は、ジュネーブ天文台での試験において精度記録を打ち立てた他、オリンピックにおける全競技でのタイムキーパーを務めた初の時計ブランドとして、現代まで続くレガシーのはじめの一歩を刻んでおります。
後のシーマスターへと続く世界初の商業化されたダイバーズウォッチである「マリーン」の発表など、正に歴史に残る重要な出来事の多い時期でした。
そんな時代を感じる復刻モデルとあり、オメガのタイムピースとしても感慨深いモデルではないかと思います。
スモールセコンド仕様に明るいブラウンレザーのストラップ、グレーに近いシルバーダイヤルがヴィンテージ感を高めています。
ヴィンテージにおいては37㎜であったケース径は39㎜へと一回り大きいものになりました。
アンダー40㎜サイズが再び脚光を浴びている現在において、多くのシチュエーションで使い勝手の良いサイズ感となっています。
搭載されるムーブメントはCal.8926。手巻きという点ではヴィンテージを踏襲していますが、高い技術力を持って常に進化し続けるオメガらしく、METAS公認のマスタークロノメーターとなり1万5000ガウスの耐磁性と72時間のパワーリザーブを誇ります。
コーアクシャル機構によりオーバーホール期間も格段に伸び、日常使いにおいて非の打ち所のない一本です。
サテン仕上げとポリッシュ仕上げの組み合わせにより立体的に仕上げられたケースには、セクターダイヤルと呼ばれる1930~1940年代に多く見受けられたダイヤルがセットされています。
どこか懐かしい雰囲気を感じさせながらも、光の加減により濃淡の印象が変わる青焼き針により飽きの来ないデザインです。
スタイリッシュでデザイン性に富んだ現代の腕時計の中で、一昔前の落ち着いた雰囲気を感じさせるヴィンテージウォッチは、コレクションの一本に加えたいものではありますが、どうしても使い勝手やアフターメンテナンスの面で躊躇してしまいがちです。
その点、現代の最新技術を持って復刻されたオメガのCK859は、ヴィンテージ感を存分に感じさせながらも取り扱いのしやすい、ヴィンテージウォッチのデメリットを克服した腕時計と言えます。
多くの記録と華やかな記憶に彩られたオメガの歴史を感じるちょっと特別な一本であるCK859。
是非、コレクションの一本に加えてみてはいかがでしょうか。