高級時計の魅力は、外装の美しさだけでは語り尽くせません。
ケースの内側でどのように時を刻んでいるのか。
その「心臓部」を知ることで、一本の時計が放つ価値は何倍にも膨らみます。
今回は、腕時計専門店GMTが正規代理店として取り扱う「ペキニエ(PEQUIGNET MANUFACTURE)」の自社製ムーブメントをご紹介します。
内部構造を紐解くことで、フランス唯一のマニュファクチュールが持つ真の実力と、美学に触れていただければ幸いです。
それでは、どうぞご覧ください。
◆ フランス唯一のマニュファクチュールブランド
ぺキニエは1973年、時計師エミール・ぺキニエによって、フランス・ジュラにあるモルトーにて創業されました。
フランスの時計産業において、伝統と革新を体現するブランドとして知られます。2000年代には、完全自社開発ムーブメント「カリブル・ロワイヤル(Calibre Royal)」の開発を通じて、高級機械式時計メーカーとして再構築を果たしました。
約5年の歳月をかけて開発されたこのムーブメントは、2009年にブランド初のマニュファクチュールムーブメント「カリブル・ロワイヤル(EPM01)」として完成しました。
その後、2017年に手巻き版「カリブル・ロワイヤル マニュアル(EPM02)」、2022年には、より小型かつ高効率な設計を実現した新ムーブメント「カリブル・イニシャル(EPM03)」を発表しています。
現在では、フランスを代表する真のマニュファクチュールブランドとして、高い評価を受けています。
◆ 革新的な自社ムーブメント「カリブル・ロワイヤル(EPM01)」
PEQUIGNET MANUFACTURE ペキニエ マニュファクチュール(正規輸入商品) ロワイヤル パリ 39.5MM キャトル フォンクション 9100633 【2025年新作】
EPM01は、設計から製造に至るすべての工程を自社で手がけた、真のマニュファクチュールムーブメントです。
完成までに279枚の設計図と、150種類以上の専用工具、金型を新たに製作し、全318点の部品のうち316点を自社開発、製造したオリジナルパーツで構成しています。
フラット3ディスクジャンピングデイデイト
EPM01では、一般的なビッグデイト(日付表示)に加え、曜日表示も大型化されています。
特徴的なのは、日付の十の位、一の位、曜日の3枚のディスクが、隙間なくフラットに配置され、表示面に一切の段差がないことです。
まるで1枚のプレートのような、滑らかで美しい表示を実現しています。
さらに、日付や曜日の切り替えは、深夜0時前後に一瞬で行われるジャンピング方式を採用しており、視認性を損なうことなく、常に正確に表示されます。
また、多くのカレンダー付き時計に存在する「操作禁止時間帯」がなく、まさに実用と美しさを兼ね備えた設計となっています。

高精度ムーンフェイズ
ディスクに135枚の歯を設けることで、実際の月の周期(約29日12時間44分)に非常に近い29日12時間45分での表示を実現しています。
この高精度設計により、1日分の誤差が生じるまでに約122年半を要するという、驚異的な精度を誇ります。

インテグレイテッド・キャリバー(非モジュール式・付加機能可変型地板)
EPM01では、モジュールの後付けではなく、ベースとなる地板そのものに各機能を直接組み込むインテグレイテッド設計を採用しています。
これにより、ムーブメント全体の一体感と、部品間の無駄のない連携が実現され、耐久性、メンテナンス性、精度のすべてにおいて、極めて高い水準を誇ります。
センターシャフト・ドライブ
従来のバレル構造では、内部で発生する激しいエネルギー変化により、パーツ同士に摩擦や摩耗、さらには機械的ストレスが生じやすいという課題がありました。
EPM01では、センターシャフト・ドライブを採用し、バレル自体が常に安定した回転を維持できる構造とすることで、これらの負荷を大幅に軽減することを可能にしました。
その結果、88時間のパワーリザーブと、72時間の高い等時性を実現しています。
◆ 手巻き式の魅力を再構築した「カリブル・ロワイヤル マニュアル(EPM02)」
PEQUIGNET MANUFACTURE ペキニエ マニュファクチュール(正規輸入商品) ロワイヤル マニュアル 9080413
2017年に登場したEPM02は、EPM01をベースに開発された手巻き式ムーブメントです。
EPM01最大の特徴であるセンターシャフト・ドライブ方式を受け継ぎながら、自動巻き機構やムーンフェイズなどの付加機能を排し、シンプルさを極めた構造としています。
6時位置に4番車(スモールセコンド)を配置することで、香箱構造の最適化と相まって約100時間のパワーリザーブを実現しました。手巻きならではの操作感と、“巻き上げる楽しみ”を存分に味わえる特別なキャリバーです。
◆ フランスの技術をもっと身近に ―「カリブル・イニシャル(EPM03)」
PEQUIGNET MANUFACTURE ペキニエ マニュファクチュール(正規輸入商品) アティチュード 9060333
2022年、ペキニエは新世代ムーブメント EPM03 を発表しました。
Calibre Royalの理念を受け継ぎつつ、よりコンパクトで高効率な設計を追求。
フランス製マニュファクチュールの魅力を、より幅広い層に届けることを目的として開発されたムーブメントです。
EPM03は機能を必要最小限に絞り、3針+デイト中心のシンプル構成を採用。
薄型ケースにも対応可能な単層設計とすることで、スマートなドレスウォッチへの応用も可能です。
さらに、一般的なモジュール式を採用しており、基本モジュール(時、分、秒+デイト)に対して、追加モジュール(ムーンフェイズやビッグデイト等)を組み替え、装着可能な設計がなされています。
このモジュール式設計により、ムーブメント自体の汎用性、将来拡張性、製造コスト抑制の両立が図られています。
振動数は28,800振動/時に引き上げられ、精度の安定性を向上。
パワーリザーブは65時間と、日常使用に十分な実用性を備えています。
このムーブメントは、モルトー周辺半径80km以内で製造された部品で構成され、約72%はフランス製、残りはスイスから調達されています。
カリブル・ロワイヤルと比べるとシンプルな設計ですが、操作感や信頼性、美しさを犠牲にせず仕上げられた特別なキャリバーです。
コストを抑えながらも、精度や耐久性、自社開発へのこだわりは一切妥協しておらず、カリブル・ロワイヤルの精神を受け継ぐ実用ムーブメントとして高い評価を得ています。
◆ まとめ
ペキニエのムーブメントには、フランスの時計文化を復興させるという確固たる信念が息づいています。
EPM01は自社一貫製造による革新的構造を、EPM02は手巻きの情緒と伝統を、EPM03は次世代に向けた実用性と普及性をそれぞれ体現しています。
いずれも「フランスでしか生まれ得ない美意識と機能美」が貫かれています。
スイスブランドが世界中で広く支持される中でも、ペキニエはフランスならではの伝統と美意識を守るマニュファクチュールとして、独自の存在感を放っています。
ぜひ店頭で、ペキニエのムーブメントが奏でる美しさと静かな鼓動を体感してください。
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