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さて、本日ご紹介する腕時計は老舗高級時計ブランドBreguetからこちらです。
BREGUET ブレゲ クラシック シリシオン 5178BR/29/9V6 D000
こちらのクラシック シリシオン、注目したいのはそのデザイン性の高さです。
まずは文字盤から見ていきましょう。
真っ先に目を引くのは、ブランドの最大の特徴であるブレゲ針とブレゲ数字だと思います。ブレゲ針の特徴は穴が空いていて、先端が月を連想させる斬新なデザインです。このスリムですっきりとしたデザインは、アブラハム ルイ=ブレゲによって考案されてから2世紀以上にわたる歴史を誇ります。
1783年頃に誕生し、「ブレゲ針」と言う言葉が時計業界に広く浸透するまでになりました。
ブレゲ数字はその独特の丸みのある字体が非常に特徴的。当時このデザインを担当したのはアブラハン・ルイ-ブレゲです。ブレゲ自身は書人として有名ではありませんでしたが、ブレゲ数字には機能性とエレガンスの融合という彼の天賦の才能が見て取れます。ブレゲ数字が初めて登場したのはフランス革命以前に遡りますが、当時の文字盤にはこの数字に小さな星を象った分目盛や、百合の花をモチーフにした5分ごとの目盛りが組み合わされていました。
もちろん、こちらのクラシックにもしっかりと百合と星が目盛りに組み込まれています。
ブレゲ数字は今日でも特にエナメル文字盤に使われることが多く、こちらのモデルも普通のエナメル文字盤の上位互換であるグランフーエナメルが採用されています。
通常のエナメル技法との違いは、焼き上げる「温度」にあります。通常のエナメル文字盤は800度近くの熱によって焼き上げますが、グランフーエナメルは1000度以上の熱で文字盤を焼き上げるのが基本です。その焼き上がりは通常のエナメル文字盤よりも遥かに美しい仕上がりとなります。
グランフーという名は、gran=大きい、feu=炎、大きな炎が出るほどの高音で焼成することが由来となっています。ただでさえ、温度管理や調整が難しいエナメル技法の難易度をさらに上げているので、このグランフーエナメル文字盤を作り上げることのできるブランドは数少ないと言えるでしょう。
ブランドの時計が急速に成功を収めると、世の中に偽物も出回るようになりました。このことをきっかけに、1795年頃でらブランドの時計すべてにシークレット・サインが用いられるようになりました。
鋭いノミで文字盤に刻まれたサインは、一見見えづらく斜めにして光に翳してようやく判読できるものです。このサインは本物のブレゲ・ウォッチの証となっています。
そしてブレゲ・ウォッチの特徴であるコインエッジもしっかりと施されています。
このコインエッジはゴールド素材に「冷鍛」という治金作業を施し、しっかりと固定した器具で手作業により刻み込まれます。ブランドの技術力の高さが窺える技法です。
ブランドは、ラグとストラップの固定にバネ棒を用いず、ネジによって固定しています。ネジを採用する理由は、ラグをケースにしっかりと固定するという技術的な理由に加えて、一貫した美観を維持すると言う理由も兼ね備えられています。
この作業も高度な熟練技術が要求される技法です。
ベゼル部分にダイヤモンドがあしらわれているので一見派手な印象ですが、粒が小さめのため実際に着用するとそこまで派手な印象ではありません。ケースサイズは38mmですので、日本人男性の腕元にしっかりと収まるサイズ感です。メンズライクな時計が好きな女性の方にも、もちろんご使用いただけます。
Breguetの意匠が詰まった5178BR/29/9V6 D000を是非ご検討いただけましたら幸いです。