正しい齢のとり方

2013年08月26日

私事で恐縮ですが、今月私はお誕生日を迎えます。とっくにお誕生日が嬉しくなくなる齢ですが、以前リリー・フランキーさんが著書の中で「体細胞は一歳でも若くなりたいが、精神は一分たりとも戻りたくない」というような趣旨の発言をされていて、加齢を単なる衰えと捉えず、成熟という風に捉えていることに感銘(?)を受けて以来、齢をとることには比較的前向きになり、今のところお誕生日を迎える事が嬉しいです(笑)
むしろ「暑い時期に産んでくれたのだな」とか「共働きで一生懸命育ててくれたな」ということが身に沁みて分かる年齢となり、感謝の気持ちで嬉しさもひとしおです。

体細胞の衰えも生活習慣によって幾分遅らせることが出来るようです。
例えば食生活。近年、細胞を衰えさせる物質として、AGE(終末糖化生成物)という物質が注目を集めています。
AGEとは、糖質とタンパク質が結合し過熱されることによって生成されるもので、体内に蓄積すると外見のみならず骨粗鬆症やアルツハイマーなど、体内のあらゆる老化につながる怖い物質なのです。
今流行りのパンケーキはAGE含有量の多い食べ物として引き合いに出されることが多いのですが、それはパンケーキに含まれる小麦粉の炭水化物(糖質)と卵や牛乳に含まれるたんぱく質が焼き上げられる工程を経てAGEに変わってしまうという事なのです。
食物から直接AGEを摂取してしまう以外にも、糖質の多いものを日常的に多く食べていると、血糖値が高くなり体内のたんぱく質と結び付き体温によって温められてAGEを作りだしてしまいます。
AGEの蓄積を防ぐためには、やはり日ごろからAGE含有量の多い食べ物や糖分の摂取を控えるのが一番なのですが、パンケーキに代表されるように、美味しいものはAGEが多いのです。実際私も『AGEたっぷり食品』が大好きで我慢できそうにありません。
ではどうしたら良いのか…、答えは食べる順番と適度な運動というオーソドックスな方法でした。
食事の時にまず野菜や海草、きのこ類など食物繊維や酵素の多い食品から食べて糖質の吸収を穏やかに事、そして食後30分後、血糖値が上がるタイミングでウォーキングなどの軽めの運動をすること。これがAGEの蓄積を防ぐのに有効だとして薦められている手段です。もちろん食べすぎは良くないですが、ほどほどの量にして毎日ほんの少し気をつける、それこそが老化防止、ひいては健康につながるようです。

さて、皆様がお使いの機械式時計も、毎日のほんの少しの気づかいで何十年も時を刻んでくれるパートナーとなります。今回はそんなちょっとした日々のお手入れをご紹介いたします。

まず、機械式のお時計の基本的な構造について…
時計の中は髪の毛ほどの細さのひげゼンマイや沢山の小さな歯車が組み合わさって出来ていて、巻き上げられた渦状のひげゼンマイがほどける力で時を刻んでいます。パワーリザーブは機種により様々ですが、基本的には毎日リューズでゼンマイを巻き上げて動力を溜めていただくか、自動巻き機構を搭載している機種は一日おおよそ8時間くらい腕につけて活動していただくと絶えず動き続ける動力を確保することが出来ます。

リューズを手巻きする際は、あまり速くリューズを巻き上げてしまうとゼンマイが絡んでしまったり巻き止まりに気付かず巻き切ってしまったりという事故につながる可能性がありますのでゆっくりと、さらに毎日同じくらいの時間帯に巻き上げていただくことをお勧めいたします。最初は手間かもしれませんがきっと愛着がわいてくるはずです。

内部パーツが多いぶん、クォーツ式のお時計と比べて繊細に出来ていて、強い衝撃などを与えると故障の原因となります。スポーツなどされる際には必ず外してください。

ご使用されたお時計は、一日の労をねぎらう意味もこめて柔らかい布で湿気を拭き取ってあげてください。眼鏡拭きなどがオススメです。

もしダイバーズウォッチをお使いでも、水に濡れた後にそのままにしてしまうと錆などの原因になりますので、ほかのお時計同様しっかり乾燥させて下さい。ブレスレットの汚れがひどくなってきたら、毛先の柔らかい歯ブラシでやさしく磨いたり、専用のクリーナーを使ってみるとキレイになりますよ。

ご自宅での保管場所ですが、多くの金属パーツで作り上げられているのでマグネットや電化製品のすぐ近くで長期間保管していると磁気が溜まってしまいます。磁気おびすると日差が大きくなってしまったり止まってしまったりという故障につながりますのでお気をつけ下さい。

しばらくご使用されずにお時計が止まってしまった場合や月末など、日付の調整をしなくてはならないことも多いかと思いますが、お時計によっては日付早送り禁止時間帯がありますので、日付の早送り機構をお使い頂く際に時計の針が何時を指しているかを確認してから操作して下さい。日付早送りの禁止時間帯がある場合は大体夜8時くらいから早朝4時くらいまでがその時間帯に当たることが多いので、その時間帯を避けて操作するか、一度針を6時の位置まで送っていただいてから操作するようにすると日付周りの故障を防ぐ事が出来ます。

以上の事が日々気を付けて頂きたいちょっとした事です。永くお使い頂くために、毎日の習慣として取り入れて頂ければと思います。
なお、オーバーホールもお時計には欠かせないメンテナンスです。以前よりも日差が開いてきたと感じたらオーバーホールの合図といわれておりますが、大体5年くらいで中の機械油が切れてしまうので、元気に動いているように見えても3~5年に一回くらいのペースでオーバーホールを行ってあげてください。

ご自身もお時計も日々正しいメンテナンスを行って、いつまでも共に歩んでいかれたら素敵ですね。

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