私が愛したヴィンテージ・チューダー│手放した過去と、今ブラックベイに感じる面影

2026年01月06日

今回は私がかつて出会い、共に過ごし、そして別れた、とある一本の腕時計について書かせていただこうと思います。

多分に私事が含まれますが、よろしければご一読ください。

TUDOR チューダー ブラックベイ M7941A1A0NU-0001


私が社会に出たのはバブル景気が終わり、世の中の雲行きが少しずつ怪しくなり始めた頃。
怪しくなり始めたとはいえ、まだ世の中のそこかしこにバブルの残り香、というか残滓のようなものが残っている時代でした。
ちょうど機械式時計という存在に「クォーツショック」以来久々にスポットライトが当たり始めていた時期で、雑誌(紙媒体)には「腕時計特集」が華やかに展開されていて、社会人一年生であった私も大いに影響を受けたものでした。

当時紙面を飾っていたのはロレックスであればエクスプローラーI Ref.1016や、サブマリーナー Ref.5513、Ref.1680、あとはバブルバックなど。

会社の先輩方も時計好きな人が多く、営業先に同行する先輩の腕元に輝くスピードマスターに憧れ、「いつかは自分も」などと考えたものでした。

でもお金のない社会人一年目に手を出せたのは国産の機械式時計。

当時セイコーなど国内メーカーも機械式時計を復活させつつあり、かつての機械式時計全盛時のムーブメントをベースにした入門モデルなどが比較的お手ごろな価格で販売されていて、それを購入してそれなりに満足して使用していたものでした。

それでも一本手に入れるともう一本と、際限なく欲しくなるもの。

当時はインターネットはもちろん、リサイクルショップチェーンなどもまだ存在していない時代でしたので、営業の合間や、少ない休みにはヴィンテージウォッチショップや質屋さんの店先をパトロールする日々を過ごしていました。

そしてとある地方都市の商店街にある質屋さんで出会ったのが Ref.5513そっくりの顔をしたチューダーのサブマリーナー「7928/0」でした。

(写真は当店で過去に販売した、ロゴが薔薇マークの「7928/0」です。)

文字盤には盾のマークと「OYSTER PRINCE」、そして誇らしげに並ぶ「SUBMARINER」の記述。
他社製のグレーのブレスレットが装着されていたせいか、店先では驚くほど控えめな価格で並んでいました。

一目見た瞬間のドキドキ感は、今でも忘れられません。

帰宅後、手持ちの雑誌やムック本を総動員して調べた結果、ラグ間に刻まれていたのは「7928/0」のリファレンス。
間違いなく1960年代に製造された一本でした。

その日から、この時計は私の所有するコレクションの中で不動のエースとなりました。
ブレスレットはオイスタータイプのものに付け替え、日常的に愛用。

インターネットが普及した今になってようやく分かったことですが、実はその個体、ロゴが「薔薇」から「盾」へと切り替わる過渡期にごく短期間だけ製造された、非常に珍しい仕様だったようです。

当時はこれが希少なモデルだという認識もあまりなく、ただ純粋にその佇まいに惚れ込んでいたのです。

当時としても製造から30年程度経過している時計。

ドーム型風防の中でベージュ色に焼けたインデックスや、少しスムーズさに欠ける両方向回転ベゼル。
毎日眺めていたそのディテールは、何十年経った今でもはっきりと脳裏に焼き付いています。

社会の荒波に揉まれ、仕事と格闘する日々。
辛いことがあっても、ふと腕元に目を落とすだけで、不思議と勇気が湧いてくる気がしました。

それから十数年が経ち、いつしか故郷を遠く離れた土地で働いていた私。

家族が増え、親のことや子育てを考える中で、首都圏への帰還を決意しました。
しかし、就職活動のために何度も上京する飛行機代を工面するのは、当時の私にとって決して容易なことではありませんでした。

苦しい家計の中で、ふと目に留まったのが長年連れ添ったあの一本です。

「日常使い」「ブレスは非純正」という条件での出品でしたが、ネットオークションに出した愛機は、上京数回分の交通費を補って余りあるほどの価値を示してくれました。

まさに、私の人生の次の一歩を、その身を挺して支えてくれたのです。

その時の就職活動で、縁あって入社したのがシュッピン株式会社です。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、弊社は今私がいる腕時計専門店GMTのほか、カメラ専門店Map Camera(マップカメラ)なども展開しています。
入社当初、私はまずカメラ部門のWEB制作スタッフとしてキャリアをスタートさせました。

その後、部署異動を経て現在のGMTへ。
数十年ぶりに本格的に時計と向き合う日々が始まりましたが、かつて私が機械式時計に憧れていた頃とは、市場も環境も様変わりしており驚くばかりです。

そんな中で触れたのがこちらの一本。

TUDOR チューダー ブラックベイ M7941A1A0NU-0001

TUDOR チューダー ブラックベイ M7941A1A0NU-0001

掌に乗せた時の重み、そして腕元に収めた時の絶妙なプロポーション。
そこに、かつて愛用していた「7928/0」の面影が鮮やかに重なりました。

TUDOR チューダー ブラックベイ M7941A1A0NU-0001

もちろん細部を紐解けば、リューズガードを備えた当時の愛機に対し、本モデルはガードのないビッグクラウン仕様。
スノーフレーク針の採用など、意匠としての「趣」は異なります。

一方で、インデックスの「ドット・バー・トライアングル」という配置には、今も昔も変わらない共通の血統を感じます。

TUDOR チューダー ブラックベイ M7941A1A0NU-0001

ケース径は、39mmの「7928/0」に対し、こちらは41mm。
数値上は一回り大きいものの、持った感じの「元祖サブマリーナー的プロポーション」は驚くほど似ていると感じました。

中身のムーブメントに目を向けると、そこには30年以上の技術の蓄積を感じます。
かつての「7928/0」は、ゆったりと時を刻む18,000振動の「Cal.390」が心臓部でした。

一方、最新のブラックベイは、マスター クロノメーター認定を受けた「MT5602-U」を搭載。
高精度な28,800振動と70時間のパワーリザーブを兼ね備え、実用機として圧倒的なパフォーマンスを誇ります。

TUDOR チューダー ブラックベイ M7941A1A0NU-0001

「リベットブレスレット」や「ドーム型風防」を採用するなど、ヴィンテージらしさを感じさせるディテールを楽しみつつ、中身は現代的な最高峰の機能性を誇る。
この一本は、まさに新旧の良さが融合しています。

長年苦楽を共にし、最後には人生を切り開く糧となって私を次のステージへと送り出してくれた「7928/0」。
寂しさもありますが、それよりも感謝の気持ちと、若干の誇らしさと共に、時々その面影を思い出します。

このブラックベイは、そんなかつての愛機の感触を鮮やかに思い出させてくれました。

TUDOR チューダー ブラックベイ M7941A1A0NU-0001

普遍的なルックスを持つこの時計は、オンオフを問わず、あなたの日常に静かに寄り添ってくれるはずです。

かつての愛機がそうであったように、ヴィンテージの面影を楽しみつつ、現代の技術による圧倒的な安心感を持って毎日を共にできる。
ブラックベイは、過去への敬意と未来への信頼を同時に満たしてくれる、唯一無二のシリーズだと確信しています。

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