グランドセイコーの「白樺」といえば、今や世界中の時計愛好家から一目置かれる存在です。
2021年に登場した自動巻きの「SLGH005」から始まり、その系譜は着実に進化を遂げてきました。
今回ご紹介するのは、2025年10月に満を持してラインナップに加わったステンレススチールモデルのこちら。
SEIKO セイコー グランドセイコー エボリューション9コレクション SLGW007
通称「月夜の白樺」と呼ばれるこの一本を、独自の視点で深掘りしていきます。
◆水平のテクスチャーが描く「夜の白樺林」
まず目を奪われるのは、深いネイビーの文字盤です。
従来の白樺モデルが縦方向の力強い型打ちであったのに対し、本作は水平(横)方向を基調としたテクスチャーを採用しています。
これは、月明かりに照らされた白樺の樹皮をイメージしたものです。
◆「敢えてのカーフ」という選択の妙
ストラップには、文字盤のネイビーに呼応する国産カーフレザーを採用。
この価格帯のドレスウォッチにはアリゲーターが選ばれがちですが、本作はあえて繊細なテクスチャーを施したカーフを合わせることで、しなやかでモダンな表情を引き出しています。
アリゲーターの持つ威厳とは対照的に、このストラップは文字盤の緻密な型打ち模様と質感が共鳴しており、全体として極めて洗練された印象を与えています。
◆10mmを切る厚みと、妥協なき「ザラツ研磨」
ケース厚は風防込みで9.95mm。
手巻きモデルならではのスリムなプロポーションは、エボリューション9スタイルの低重心設計と相まって、手首に吸い付くような抜群の装着感を実現しています。
また、仕上げの美しさにも目を見張るものがあります。
エボリューション9 コレクションはラグの間隔が広く設計されているため、ケースサイドの面が強調されますが、ここには一切の歪みがないザラツ研磨が施されています。
一方で、肌に触れるラグの裏側はあえて角を落とした形状にするなど、美しさと実用性を極めて高い次元で両立させています。
◆現代の最高峰、Cal.9SA4と「デュアルインパルス脱進機」
本作の核となるのが、最新の手巻きハイビートムーブメント「Cal.9SA4」です。
ここには、グランドセイコーが世界に誇る革新技術「デュアルインパルス脱進機」が搭載されています。
ガンギ車からテンプへ直接衝撃を伝えるルートと、アンクルを介して伝えるルートの2種類を持つ独自の機構のことで、これによりエネルギー伝達効率が飛躍的に向上し、毎時 36,000振動(10振動)のハイビートでありながら、約80時間という長いパワーリザーブを両立させています。
◆まとめ
SLGW007は、カレンダーすら持たない極めてシンプルな構成です。
しかし、そこにはGSの最新技術と、日本の美意識が凝縮されています。
38.6mmという絶妙なサイズ感、そしてステンレススチールならではの程よい重量感。デイトなしの手巻き時計を愛でるような、経験豊かな愛好家にこそ手にとっていただきたい、現代グランドセイコーの到達点といえるでしょう。
▼今回ご紹介した腕時計
SEIKO セイコー グランドセイコー エボリューション9コレクション SLGW007
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