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腕時計には、現在時刻を知るという基本的な機能以外にも様々な機構のものがありますが、中でも「クロノグラフ」は特に人気の高い仕様です。
オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル コーアクシャル 310.30.42.50.01.002
クロノグラフという機構に興味のある方であれば、「カム式」と「コラムホイール式」という制御機構を聞いたことがあるかと思います。
「コラムホイール式」は高級品で「カム式」は安価な量産品、という話を見かけたことがある方もいるでしょう。
(ヴァシュロンコンスタンタン オーヴァーシーズ クロノグラフ Cal.5200)
しかしながら、制御機構に注目してムーブメントを見ていくと、ほとんどの時計がコラムホイール式になっていることに気付きます。
高級時計の入門ブランドとして知られるタグホイヤーの「ホイヤー01」や「ホイヤー02」ですら高級とされるコラムホイール式のため、カム式を採用しているムーブメントを思い付かない方も多いかもしれません。
(カレラ クロノグラフ Cal.ホイヤー02)
それもそのはず、現在カム式を採用しているムーブメントは「ETA7750(セリタSW500)」や、スピードマスタープロフェッショナルの「Cal.3861」くらいです。
(スピードマスタープロフェッショナル Cal.3861)
そもそもカム式がコラムホイール式に劣るとされていたのは、ブレーキレバーを組み込むことができず、衝撃でクロノグラフが動いてしまっていた時代のものです。
現在製造されているカム式クロノグラフはコラムホイール式クロノグラフと遜色ない性能をしており、(コラムホイールの方がやや製造コストがかかる≒高級というのは必ずしも間違いではないにしても)カム式だからという理由で避ける必要はなくなっています。
むしろ現在、汎用品のETA(セリタ)製以外では唯一といってもいいカム式クロノグラフを搭載しているスピードマスタープロフェッショナルは、その独自性においても興味深い1本となっています。
「ムーンウォッチ」というストーリーや、現代では希少な手巻きクロノグラフという点でも魅力的なスピードマスタープロフェッショナルですが、クロノグラフの制御機構の面でも面白みのある腕時計と言えるでしょう。