GMTスタッフブログをご覧の皆さま、こんにちは。
本日もご覧いただきありがとうございます。
ROLEXが展開するGMT機構を搭載したGMTマスターⅡは、2024年に新たにブラック×グレーベゼルを備えた126710GRNRがコレクションに追加されました。
本日は、GMTマスターⅡの魅力やこのコレクションを語る上では外せない歴史を二日間前編と後編に分けてご紹介いたします。
ぜひ最後までご覧ください。
【GMTマスターⅡ誕生の歴史】
GMTマスターが登場した1950年ごろ、ロレックスはサブマリーナやエクスプローラーが好評で、「実用性に優れた時計」を製造することに熱を入れていました。
陸のエクスプローラー、海のサブマリーナに続く『空』のコレクションとして誕生しました。
現行モデルであるGMTマスターⅡは、1982年から販売が続いています。
Ⅱということは、お察しの通りⅠが存在し、GMTマスターⅠは1955年~1999年まで販売されていました。
GMTマスターが登場した1950年代は、旅客機による大陸間旅行が発展した時代です。
ROLEXのGMTマスターは、アメリカン航空の国際線パイロットのために作られました。
24時間表示の副時針を追加したムーブメントと、赤と青で昼夜を示す回転式ベゼルを組み合わせることで、2か所の時刻を同時に表示させることができます。
このGMTマスターの後継となるGMTマスターⅡは、単独で運針可能な時針を得たことで、シンプルな操作により、最大3地点の時刻を同時に把握できるようになりました。
現在では、国際線のパイロットだけでなく、世界で活躍しているビジネスマンやトラベラーの間でも活用されています。
パイロット用ということは、防水性能はほとんどないのではないかと不安になるかと思いますが、そんなことはありません。
現行モデルであれば100m防水のため、日常生活レベルの水分では故障の心配なくご愛用いただけます。
歴代モデルたちをご紹介する前に、ここまでブログを読んでいただいた方はお気づきかもしれませんが、GMTマスターとGMTマスターⅡは販売時期が被っています。
一体2つのモデルはどう違うのか、初めにご紹介していきます。
GMT機構を搭載している時計には、大きく分けて2つのタイプがあります。
※前提として、時刻を示す針が2つある。(通常の時針とGMT針)
➀時針調整式
2つある時針のうち、1つをずらして第2時間帯をつくる。
②回転式ベゼル調整式
2つある時針が常に連動しており、回転ベゼルで時刻を示す目盛をずらして第2時間帯をつくる。
上記操作方法につきましては、割愛させていただきます。
では、ⅠとⅡでの違いは一体何なのか。
という点ですが、最大の違いは「GMT機能の操作方法」にあります。
〈Ⅰの第2時間帯の合わせ方〉
1、一般的な時計と同じく、リューズで時間を合わせます。
2、回転ベゼルを時差分回転させます
=GMTマスターⅠは、回転ベゼル調整式ということになります。
〈Ⅱの第二時間帯の合わせ方〉
1、通常の時針とGMT針が同じ時刻になるように、リューズで時間を合わせます
2、リューズを一段階引いて、通常の時針を時差分回転させる
もしくは、回転ベゼルを時差分回転させます
=時針調整式、回転ベゼル調整式のどちらにも対応をしています。
そして、GMTマスターⅡは第3時間帯にも対応できることが特徴です。
第3時間帯表示の方法についても、割愛をさせていただきます。
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GMTの誕生は1955年のことですが、実際にファーストモデルが誕生したのは1957年になります。
【1954-1959年 GMTマスター Ref.6542】
初代GMTマスターであるRef.6542は、38mmのステンレスケースに赤青ベゼルを配したデザインです。
耐久性が劣っており、割れやすいベイクライト仕様であったため、2年後にはアルミベゼルに仕様が変更されました。
ベイクライトとは、世界初の人工合成樹脂の商標で、世界最古のプラスチック素材です。
耐熱性や絶縁性に優れていますが、水や紫外線には弱いという特徴があります。
そのため、状態が良いまま現存するベイクライトベゼルにはほとんど無いかもしれません。
しかし、樹脂ならではの艶や、経年劣化による色の深み、そして風合いがあります。
アルミ製のベゼルも脱色による味わいが出てきます。
Ref.6542はリューズを物理的なダメージから守るリューズガードが備わっていません。
これもファーストモデルにしか見られない特徴で、このあとご紹介するRef.1675以降のGMTマスターは全てリューズガードが採用されています。
リューズガードがないため、クラシカルな印象に見えます。
リューズには、ステンレス製を意味するバーと、クラウンマークが刻まれています。
文字盤にははサークルミラー文字盤が採用されています。
ミラー文字盤は、1967年くらいまでに作られていた、表面に光沢がある文字盤のことです。
同年代のエクスプローラーやサブマリーナでも採用されていました。
ミラー文字盤は、経年劣化の中でヒビが入りやすいのが特徴ですが、状態の良いものは高値で取引が行われます。
6時位置に配されているロゴや英字は、通常白字でプリントされていますが、ミラー文字盤はゴールドカラーになっています。
より高級感を感じるデザインです。
そして、ミニッツサークルにも注目をしてください。
文字盤にプリントされた、ミニッツ表示の外側にサークルラインが入っています。
このサークルのラインが入った文字盤をサークルミラー文字盤と呼びます。
1960年代以降は、サークルラインの無いデザインに変更されました。
Ref.6542は製造年数が短く、パイロット向けに供給されていたため、市場への流通量は少なく、希少性の高いアイテムです。
そしてRef.6542で、注目していただきたいポイントがもうひとつあります。
Ref.6542から第二世代Ref.1675の初期生産分まで採用されていた24時間針は、現行モデルと比べると先端の三角が小さくなっています。
これは、通称「ミニ針」と呼ばれる仕様です。
搭載されているキャリバーについてですが、誕生初期はCal.1036で、のちに改良版のCal.1065もしくはCal.1066へと変更されました。
Cal.1036は、Cal.1030にデイトジャスト機構とGMT用の24時間針を追加したムーブメントになります。
この頃のデザインから既に、見慣れたGMTマスターのデザインが確立されています。
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【1959~1980年 GMTマスター Ref.1675】
第二世代のGMTマスターとして誕生したRef.1675は、ケースサイズが40ミリにアップしました。
また、ブレスレットはオイスターブレスレットとジュビリーブレスレットの2種類がラインナップに追加されました。
約20年間に渡り製造されたロングセラーモデルのため、年式によって仕様が異なるのが特徴です。
先述したミニ針は、Ref.1675の20年間の歴史の中の初期に見られ、Ref.1675の中でも人気のサークルミラー文字盤に見られる仕様です。
前モデルのRef.6542と大きく違う点は、搭載しているムーブメントが1500番台となったこと。
リューズガードが備わったことです。
Ref.1675だけで1本のブログを作成できるほど、マイナーチェンジを多数経験している腕時計です。
Ref.1675の仕様の話だけで何時間も語ることができるかと思います。
全てご紹介したいのですが、ブログが終わらなくなってしまうので、今回は勝手ながら割愛をさせていただきます。
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【1981年~1988年 GMTマスター Ref.16750】
第三世代として誕生したGMTマスターRef.16750は、見た目はさほどRef.1675とは差はありませんが、防水性能が50mから100mにアップしました。
またムーブメントが変更され、Cal.3075になりました。
今や定番となっているビート数の28,000振動を初めて取り入れ、高い精度を実現しました。
そして、午前0時に瞬時に日付が切り替わる「デイトジャスト機能」とこれも今は定番となった「クイックチェンジ機能」が搭載されました。
防水性能のアップ、高い精度、容易にカレンダー調整ができる点から前モデルと比べ使い勝手がよく、デイリーユースの時計として高い評価を得ました。
Ref.16750もマイナーチェンジをいくつか行っていますが、大きなポイントはインデックスの「フチあり、フチなし」になります。
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【1989年~1999年 GMTマスター Ref.16700】
第四世代として誕生したGMTマスターRef.16700は、GMTマスターⅠの最終モデルです。
Ref.16750と大きく違う点は、風防がプラスチックからサファイアクリスタルガラスに変更されました。
搭載されているキャリバーは、Cal.3175。
設計などはCal.3075をベースに、ツインブリッジ式のテンプ受けを装備したことで、ショック耐性が高まり、より安定した高い精度を維持するメカニズムが完成しました。
夜光塗料も変更されており、トリチウムからルミノバへと変更されました。
バックルはシングルバックルからダブルロックに変更するなど、より良いものへと改良を怠りませんでした。
そして、第四世代は唯一ステンレススチールモデルのみとなっています。
それは、次回ご紹介するGMTマスターⅡの登場によりコンビモデルなどはそちらにシフトされたからです。
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いかがでしたでしょうか。
今回は、1950年代から始まる初代GMTマスターを筆頭に4世代を紹介いたしました。
気になる腕時計はありましたでしょうか。
明日のブログでは、GMTマスターⅡご紹介させていただきます。
ぜひご覧ください。
▼本日ご紹介した腕時計
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、素敵な時計ライフをお過ごしください。