ロレックス GMTマスターの歴史について【後編】

2024年05月20日

GMTスタッフブログをご覧の皆さま、こんにちは。
本日もご覧いただきありがとうございます。

前回に引き続き、ROLEXのGMTマスターの歴史についてご紹介いたします。

こちらは後編となりますので、前編をまだご覧になっていない方は、ぜひこちらを先にご覧ください。

前編を読む

では、さっそくご紹介させていただきます。

【1983年~1988年 GMTマスターⅡ Ref.16760】

GMTマスター Ref.16750の2年後に発表されたGMTマスターⅡ第一世代は、短針を単独で動かすことが可能になりました。

24時間回転ベゼルと組み合わせることで、3ヵ国の時間を表示することができます。

ステンレススチール素材のケースに、赤×黒ベゼルを組み合わせた1モデルのみを展開。

同年代のGMTマスターには未採用だったサファイアクリスタルガラスやフレーム付きインデックスが採用されました。

GMTマスターとGMTマスターⅡの併売は2000年ごろまで続き、黒ベゼルと赤青ベゼルはGMTマスターだけとし、赤黒ベゼルのGMTマスターⅡとデザイン的に差をつけました。

しかし、18年間併売した理由は未だ明らかとなっていません。

そして初代GMTマスターⅡは、6年という短い期間のみの発売だったため、発売中の大きな変化はありませんでした。

近年注目を集めているのは、同年代のGMTマスターや後継機種に比べて、ケースやリューズガードが厚い仕様になっていること。

 

【1989年~2007年 GMTマスターⅡ Ref.16710】

ROLEX ロレックス GMTマスター II 16710 スティックダイヤル

GMTマスターⅡの第二世代として誕生したRef.16710は、後継モデルとして誕生しました。

見た目はそっくりですが、先述した前のモデルは厚く、その後の後継機種は薄い仕様となっているため、明確な違いが存在します。

1995年にバックルがシングルロックからダブルロックに変更されており、ヴィンテージ人気も相まってシングルロックは高評価を受けています。

1999年ごろ、他ロレックスのコレクション同様、夜光塗料がトリチウムからルミノバに変更されたため、文字盤の6時位置の表記も3種類存在します。

①1998年頃まで使われていた自発光のトリチウムモデル
SWISS-T<25

②1998年~1999年頃、夜光がトリチウムからルミノバへ移行した際に生まれた。

①と②の間に見られる
SWISS

③2000年以降に製造されたGMTマスターⅡ
SWISS MADE

その後は、現行モデルに至るまでこの表記に統一されています。

2003年ごろ、ケース横のバネ棒の穴が無くなり、風防の6時位置に王冠の透かしマークが入りました。

そして、GMTマスターⅡの第二世代を話す上で、このトピックは忘れてはなりません。

生産が終了したGMTマスターのベゼルカラーである、赤青ベゼルと黒ベゼルがラインナップに追加され、2000年ごろにベゼルカラーが3タイプとなったことです。

レアポイントなどは、比較的少ないですが「スティック文字盤」は注目のポイントです。

GMTマスターⅡのⅡが、上下の横棒が存在しない個体があります。

2005年~2007年製のD、Z、M品番に多く見られるので、レアモデルをお探しの方はぜひこの3品番をチェックしてみてください。

 

【2007年~2019年/2013年~2019年 GMTマスターⅡ Ref.116710LN/Ref.116710BLNR】

ROLEX ロレックス GMTマスター II 116710LN スティックダイヤル

第三世代として登場したGMTマスターⅡ Ref.116710LNとRef116710BLNRはすでに見慣れたデザインではないでしょうか。

先代であるRef.16710は、ツインロックリューズでしたがRef.116710LNからトリプロックリューズに変更されました。

その証として、リューズの先端には3つのドットが施されています。

搭載ムーブメントは、ブルーパラクロム・ヒゲゼンマイ採用のCal.3186を搭載しています。

従来のCal.3185から耐衝撃性は約10倍アップしました。

そして、このモデルの最大の特徴は2色のセラミックベゼルです。

1つの部品から製造されており、焼却前に金属塩を含む溶液をインサートのブラック部分に手作業で塗ります。

加熱されると、塩がブルーの顔料と反応し、鮮やかなブラック色味が生まれる仕組みです。

2014年には116719BLROが登場しました。

セラミックでは、赤の発色が大変難しくロレックスの技術の高さがうかがえます。

発売当初はブラック文字盤で2014年から2018年まで発売されていました。

2018年から2019年の1年間はブルー文字盤が発売されていました。

その後、ホワイトゴールド素材はRef.126719BLROへと引き継がれ、こちらはブルー文字盤のまま継続販売されました。

 

【2018年~GMTマスターⅡ Ref.126710】

ROLEX ロレックス GMTマスター II 126710BLRO

ついにステンレスモデルでペプシベゼルが復活しました。

この瞬間を待ちわびていた方も多いのではないでしょうか。

2018年発売当初は中央の3ラインがポリッシュ、外側の2ラインがサテン仕上げのジュビリーブレスレットが装着されていました。

そしてもうひとつ注目したいポイントは、搭載しているムーブメントです。

このモデルのために新開発されたCal.3285は、2015年にデイデイト用として誕生したCal.3255がベースとなっており、±2秒以内というCOSC認定の2倍以上の精度をケーシング後に達成した高精度クロノメーターです。

最先端技術をふんだんに取り込んだムーブメントは、パワーリザーブを70時間に延長させることに成功しました。

同年、エバーローズゴールドのコンビモデルを発表しています。

GMTマスターⅡへのエバーローズゴールドの採用と、茶黒のセラミックベゼルは初の試みです。

第3世代時に、赤青、青黒、黒の3タイプのベゼルは揃いましたが茶黒は第2世代以降見ていませんでした。

また、ステンレスモデルにはジュビリーブレスレットが備わっており、エバーローズゴールドのモデルがあえてオイスターブレスレットを採用したことは興味深いです。

そして、2021年。

Ref.126710BLNRとRef.126710BLROにオイスターブレスレットが追加されました。

スペックなどは変わらず、ブレスレットが追加になりました。

バットマンことRef.126710BLNRはオイスターブレスレットが良いという方の声も多く、そんな方たちの願いが叶った瞬間でした。

その後は、2022年にはRef.126720VTNRが誕生。

スペックなどの変化はありませんが、レフティ仕様となり、左リューズの珍しいデザインです。

ベゼルのカラーは、ロレックスのコーポレートカラーであるグリーンとブラックのツートンカラーが特徴です。

2023年には、イエローゴールドのコンビモデルRef.126713GRNRが誕生しました。

こちらもスペックの変化はなく、イエローゴールドのコンビモデル、ベゼルのカラーがブラックとグレーのツートンカラーが特徴です。

そして、今年の新作は前年のRef.126713GRNRをステンレスモデルにしたRef.126710GRNRが誕生しました。

第三世代のRef.116710LNを彷彿させるデザインが特徴的で、ペプシやバットマンでは派手と感じる人におすすめしたい1本です。

こちらについては、過去のブログで詳しくお話をしておりますので、そちらをご覧ください。

▼https://blog.gmt-j.com/20240411-2/

 

いかがでしたでしょうか。

GMTマスターは、トラベラーや海外で仕事をする人だけでなく、そのデザイン性から多くの人に愛されているコレクションです。

現行品はもちろんですが、ヴィンテージモデルにしかだせない味や雰囲気があります。

せひ、この機会にお気に入りの世代を探してみてください。

▼本日ご紹介した腕時計

ROLEX ロレックス GMTマスター II 16710 スティックダイヤル

ROLEX ロレックス GMTマスター II 116710LN スティックダイヤル

ROLEX ロレックス GMTマスター II 126710BLRO

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

それでは、素敵な時計ライフをお過ごしください。

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