こんにちは井原です。最近は暖かかったり寒かったり気温の変化が大きいですが夏へ向けての季節の変わり目。いかがお過ごしですか?
今回は題名にもある通り「一生もの」について紹介したいと思います。実は私、この言葉は最も弱い一言です。
皆様は「一生もの」と言うと何を思い浮かべますか?
「住宅」
夢ですよねぇ。私は海辺にアメリカンなガレージ付きの家をいつかは建てたいと思っています。それぞれに思い浮かべる自分の「城」ですよね。
「時計」
価格の幅が大きく安いものなら数千円から高いものだと数千万円。しかし値段ではなく「思い入れ」ではないのかなと思います。それに勝るものはなく、自分にとって最高の選択ができるものかもしれません。
そして最後は「皮革製品」
これに関しては疑問符を投げかけられるかもしれませんが、最近お客様の会話の中でも多々聞くことが多いレザーアイテム。私なりの意見なので「あ~そうか」程度に捉えてください。
実は以前、お客様でデュプイレザー(エルメスのレザーバッグに使うフランス製の革)を使用したバッグをお持ちの方で気なったので聞いてみると「オーダーで造った」というのを聞いて今回のブログに発展しました。
「オ、オーダー…。う、羨ましい…☆」
レザーは妥協せずに納得のいくものを選びたい私としては、オーダーは家を建てる以上に現実味があり、いつしか成し得たい夢。
しかし「レザーアイテム」は値段以上にその質感やデザインが最も表われる「嘘のつけない商品」ではないでしょうか?
「皮」を「革」へ変化させる瞬間、数々の工程を重ね、さらにそれぞれの形へ変化させる。
簡単にお話しすると原皮の状態だと腐敗してしまうので「タンナー(なめし職人)」により皮へのタンニンが行われます。ここでの主な役割は「腐敗を防ぐ」、「原皮の臭いを消す」、「皮を加工しやすくする」など。最近では「なめし液」には環境などの問題もあるので化学薬品を使用せず、天然素材つまり野菜や果物さらにはヨーロッパではワインを使うなどなど様々な材料が使用されます。よく「革の匂い」というのは「なめし液」の匂いであって決して原皮の匂いではありません。聞くところによると原皮は気絶するくらい臭いらしいです。
数々の工程を経て「皮」は「革」へと生まれ変わります。実はこの違いは「なめし」てあるかどうか。なんだか料理みたいです。「食材」を「調理」すると「料理」になるような。
そして今度はいろいろな職人の手によっていろいろな製品になる。バッグや靴、服など様々な形に変化します。
その製品の中でも私が愛して止まないのは「レザージャケット」。
東京・浅草を代表する老舗アパレルメーカー「ハロルズ・ギア」のオイルホースレザージャケット。
バイク乗りの私は、メインはバイクに乗った時ですが降りた時もカッコいいジャケットが良いと思った時、クオリティやリーズナブルなプライス全てにおいて最高の同ブランドをチョイス。
ライダースジャケットと言えば「VANSON」、「SCHOTT」、「ルイスレザー」などなど数え切れないほどの名門ブランドをはじめ、最近では一流ブランドも造っているほど男性物では代表的なアイテム。
その中でも「一生もの」と呼べるアイテムはほんの一握り。ハロルズ・ギアのアイテムはどれも魅力に溢れています。自分のお気に入りが見つかる日本屈指のレザーメーカーです。
ハロルズ・ギアでは主にホースレザーを使用しており、柔らかくしなやかで丈夫なレザーを使用。これもタンナーの技術力の高さを物語ります。
また有名ブランドだと軽いバッファローレザーや重厚感のあるゴートレザーなど様々な材質を使ったユニークなアイテムを販売しています。
しかし、世界中のどんなブランドも国産に唯一追いつけないのは「縫い」の技術。つまり「縫製」です。
デザインや革質は好みが分かれるところですが、縫製に関して日本は世界でもトップクラス。本当に丁寧でしっかりした縫製は海外の製品ではあまり見たことがありません。
「もの造り」は日本の伝統です。革物だけではなくメガネ、デニムそれだけではなく車、バイク、精密機器…数えればきりがないほど「もの造り」に関して他の追随を許さないダントツの技術力を誇る日本。
私の好みの話はここまでとして実はある海外ブランドも日本の技術力に着目して150周年という節目に最高のアイテムを発表しています。
ご存知の方も多いかもしれませんが、2010年に発表された新型カレラはムーヴメントにセイコーのIP(知的財産)を買い取ることにより実現した新ムーヴメント。さらにCal.1887の由来は1887年にエドワード・ホイヤー氏が発明した「振動オピニオン」の特許を取得した年に因んだもの。不況のこの時代、150周年という節目を迎えたブランドにとっては最大の山場。只ならぬ雰囲気を感じさせる同ブランドの代表作カレラを一新させる素晴らしいモデルが入荷中です。
ちなみにレザーストラップ使用もかなり魅力的です。
私の個人的な意見ですが何だか「日本刀」に見えませんか?プッシュボタンが鞘で、インダイヤルが柄、針が刃のような…。気のせいだったらすみません。
このような日本の技術力はやはり世界も注目する存在なのではないでしょうか?心臓部とも言えるムーヴメントに日本が誇る技術が使われる。しかもこれだけ重要な意味を持つアイテムに。
改めて自分が日本に生まれ育ち、日本人であることを誇りに思えることを再確認させてくれる世界に誇れる素晴らしい時計です。
「ものの価値」。それは自分自身の「思い入れ」の大きさであり深さ。価値という言葉の本当の意味なのかもしれません。
余談ですが、革ベルトはやはり革である以上、手入れは必要です。神経質になる必要はないですが使った後は乾いた布で水分を軽く拭き取ってあげてください。革に湿気は禁物です。