こんにちは、最近とても暖かくなってきてキャンプやバーベキューが気持ちよくできる季節になってきました。
これからの時期に活躍するのが、防水性が強いダイバーズウォッチです。
ダイバーズウォッチの中でも特に防水性能が高いモデルで見かける機能が「ヘリウムエスケープバルブ」です。
「ヘリウムエスケープバルブ」が搭載された時計をお使いの方でもどういった機能をしているのかご存じない方も多いように感じます。
そこで今回は「ヘリウムエスケープバルブ」についてご紹介いたします。
「飽和潜水」という特殊な潜水方法を行う際に用いるヘリウムガスは分子が小さいため時計内部に浸透します。
そうすると浮上時に減圧に伴い時計に内部で膨張し時計を破損させてしまいます。
エスケープバルブは破損を防ぐため、名前の通り「ヘリウムガスを逃がすための弁」の役割をします。
代表的なモデルをご紹介します。
【ロレックス シードゥエラー ディープシー Ref.116660】
https://www.gmt-j.com/search?keyword=116660&series=480&maker=281
フランスの海洋探査会社コメックスは自社のダイバーにロレックスのサブマリーナを支給していましたが、浮上中時計内圧の上昇により風防が吹き飛ぶ事故が続発したため、ロレックスはエスケープバルブを開発、サブマリーナに搭載しました。
これが現在のシードゥエラーの源流となります。
特徴としては、内圧の上昇に応じて自動的にバルブを開放し、ガスを放出してくれる機構です。ケースの9時側のボタンのように見えるものがエスケープバルブです。
ケース側面と滑らかに一体化しており、すっきりした外観と装着感をもたらしています。
IWCのアクアタイマーも同じ位置ですが、こちらはカバーがついています。
ブライトリングのスーパーオーシャン系も同様の機構ですが位置は10時側です。
続いてこちらもダイバーズウォッチの代名詞といえるこちらのモデル。
オメガ シーマスター
10時位置のリューズのようなものが、エスケープバルブです。
こちらはロレックスとは違い、ねじ込みを自分で解除してガスを放出します。
こちらはリューズがデザイン上のアクセントとなっています。
装着されている位置も上部よりですので手首を返した時でも干渉しにくく設計されています。
クロノグラフモデルではカレンダーのクイックチェンジがボタン式なのですがバルブの内側が操作ボタンになっているなど、凝った繕いとなっています。
ちなみにオメガもコメックスと共同開発したモデルがあり、現在も後継機種が販売されています。
【オメガ シーマスター プロプロフ 224.30.55.21.01.001】
https://www.gmt-j.com/item/1000000400015
こちらはケース3時側の下方に設置されています。
お読み頂いてお分かりかと思いますが、実際に使用することは絶対にないと言い切っても良い機構です。
だからと言って必要ないかといえばそんなことはありません。
なぜなら、それは格好良いから。
エスケープバルブの実用性の有無は問題ではありません。
サーキットを走るためのレーシングカーを街乗りすることはできませんが極限環境で使われるプロ仕様の物をそのまま普段から使用できるのは時計ならではのロマンと魅力を感じさせてくれます。
デザインも機能性、必要性、メーカーの思想などから生まれた特徴的なモデルが多く個性的です。
GMTでも多くのダイバーズウォッチをご用意しています。
ぜひ、プロフェッショナルのための時計の魅力をご堪能ください。
↓今回のブログでご紹介した時計はこちら↓
・ロレックス シードゥエラー ディープシー Ref.116660
・IWC アクアタイマー
・ブライトリング スーパーオーシャン
・オメガ シーマスター