こんにちは井原です。最近、寒いですね。
「冬だから当たり前だろッッ!!」とツッコミが聞こえてきそうですが、2010年の夏は「酷暑」と言われるくらい暑い、いや熱い夏で記録的な猛暑が続き、冬は冬で記録的な積雪だそうです。
しかし、私の心を暖めてくれる出来事もございます。先日ブログでも綴ったのですが、パネライの時計を購入に当たって「ネットを見て来ました。」というお客様や、電話でお問い合わせをしてくださるお客様が増えてきました。本当にありがとうございます。
そこで今回は前回のブログでは伝えきれていないパネライの魅力について書いていこうと思います。
時は1860年イタリア・フィレンツェにてパネライは誕生しました。当時は精密機器のメーカーであると同時に、一流メーカーの時計を扱う時計店でもありました。
3代目グイド・パネライの代になった1890年代頃より精密機器メーカーとしてイタリア海軍への公式納品を許されたそうです。
1910年に時計装置、照準機やコンパスに使用されるラジウムを開発。「ラジオミール」の誕生です。しかし、このときはまだ腕時計ではなく蛍光塗料でした。
そして4代目ジュゼッペ・パネライに代わり1936年、イタリア海軍の要請によりダイバーズウォッチの開発が始まりました。そして1938年、ロレックスからのムーブメント、パーツ供給を受けた腕時計「ラジオミール」が完成しました。ちなみにロレックスがパーツ供給をしたのは歴史上で唯一パネライのみとなっています。
そして時計の特徴としてパネライ開発のラジウム夜光、ダイビングスーツの上から装着できるように47ミリというビッグフェイスとワイヤーループ式のベルトアタッチメントを採用したケースが挙げられます。
屈強なイタリア海軍の兵士が任務で使えるようなミルスペックが色褪せずに現代にも活かされているのがわかります。
それから1956年、パネライの実用性を知ったエジプト軍の要請により、アンジェラス製8日巻きムーブメントを搭載したダイバーウォッチが開発されました。
最近ではPAM00341エジツィアーノとして復刻しましたが、元祖復刻モデルといえばやはりこちら
当時のような8日巻きムーブメントではございませんが、ただ外観だけ復刻したのではなく、44ミリという実用的なサイズになりモチーフとした時計の要素を惜しみなく投入し新しく生まれ変わっています。
ちなみに1956年といえばパネライ特有のリューズロックレバーが特許を取得した年でもあります。私はパネライの顔と言ってもいいこのサブマーシブルが一番のお気に入りの時計です。
そして1966年、フィレンツェを襲った大洪水により貴重な資料は大半が失われたそうです。
それから27年後の1993年、門外不出と思われたパネライから極少数のみ民間用腕時計が販売されました。
「ルミノール」と「マーレノストゥルム」です。
当時はマイナーな時計ブランドであり、イタリア海軍の資金集めとも言われていたそうですが、現在では93年モデルは幻のモデルと言われ、その価値は数百万円からと言われています。今では見ることができれば奇跡かもしれません。
そして1995年に転機が訪れます。当時のパネライの社長と旧知の仲であるハリウッド俳優シルベスタ・スタローン主演「デイライト」で恐らくスクリーンでは初めてパネライの時計が出てきました。
スタローン別注による白い文字盤のルミノールには「SLYTECH」いう文字がプリントされており、一部の関係者の間でしか入手できない貴重な1本だそうです。
世界的スターによりパネライの知名度は一気に加速します。
1997年にカルティエ、IWC、ジャガールクルトなど超一流ブランドが名を連ねる世界最大のウォッチメゾン「リシュモングループ」の傘下に加入したパネライは知名度、名実ともに世界のトップクラスの仲間入りを果たし、ロレックスやレマニアなどのオールドムーブを使った限定モデルを発表。今では1000万円を超えるプレミアが付いていると言われています。
しかし日本での人気は今一つでした。
2002年、日本と韓国で「日韓ワールドカップ」を共同開催。世界中のスーパースターが一同に集結。サッカーファンのみならず日韓に感動を与えてくれた歴史的大イベントでした。
その中でも一際目を引いたのがイングランド代表デヴィッド・ベッカムではないでしょうか?
「イングランドの英雄」と言われる彼はピッチ以外も注目の的で、特にベッカムが着用したブランドは軒並みプレミアが付いたといわれます。恐らくご存知の方も多いかもしれません。
「ドルチェ&ガッバーナのデニムにパネライの腕時計」
恐らく時計ファン以外がパネライに注目したのは日本ではこのときではないでしょうか?
それまで日本での知名度があまり高くなかったパネライが百貨店をはじめ、時計店での問い合わせ&予約が殺到。常に在庫が無い状態で、ベッカム着用モデルは一時プレミアが付いたそうです。
そしてここ数年は流通量も安定し、レギュラーアイテムはもちろん自社開発されたムーブメントを搭載した上級モデルも造られるようになりました。パネライの時計造りへの本格的参入がここ数年目立ってきています。復刻モデルや従来のモデルをただ造るのではなく、現代にマッチした技術力と値段以上の価値を提供できるような数少ないブランドの一角を担っているといえます。その中でも私はやはりこれに目が釘付けです。
艶が無い黒セラミックケースにドーム型サファイア風防の組み合わせが「古いけど新しい」パネライを表現してくれます。
裏側を見ると150年の歴史を歩んできたパネライの実績と技術の集大成が黒く色付けされたバックケースから覗けます。
復刻もいいですが生粋の現行モデル、その中でも本当にカッコいい時計です。写真で見るより実物を見て欲しいと願うモデルです。
パネライは意外にも歴史が深く、古くは精密機器の製造からスタートし、その中でも一流の時計を扱ってきたノウハウがある他のメーカーとは違った知識と目の肥えたブランドです。最近ではファッション的要素が高く感じられますが、それはイタリアという情熱的な国土が生んだラテンの血統かもしれません。最小でも40ミリサイズという大柄な腕時計はその存在感だけでなく、オーナーを心から喜ばせてくれる表現方法なのかもしれません。
いかがでしたでしょうか?今回は説明文が長く、拙い言葉が多く読みづらかったかもしれません。しかし、パネライファンの一人として少しでも多くの方に読んでいただければ幸いです。本当はまだまだ書きたかったけど、それは次の機会にしましょう。
※記載されている価格は2011年1月9日現在のものです。変動する可能性がありますのでご了承ください。