「古いディティール」を考える

2011年12月19日

こんにちは井原です。日に日に寒くなり、「濃い味」がおいしい季節になってきました。この時季はやはり「おでん」でしょうか?東京にいると関東風はもちろん関西風、東北風などいろいろな「おでん」を楽しめるだけではなく、おいしい「日本酒」も楽しめます。この2つがあれば「幸せ」以外の言葉はいらないかもしれません。

さて今回は題名の通り「古いディティール」について考えていきたいと思います。

古いディティール

最近、朝が早い日に近所の交差点でよく見かけるBMWの名車「R65」。ドイツ車でありながら前傾姿勢&ビキニカウルの王道カフェレーサースタイルを意識した80年代を代表する名車中の名車。実のところBMWは父親が乗っていたこともあり、多少の反発からかあまり興味を示さなかったメーカー。(別に仲が悪いとかではございません。)
個人的な「二輪への拘り」からどうしても外れてしまうので、あまり見ないようにしていたものの、走っている姿はやはりどれも美しい。

BMWのバイクは造形美だけではなく、エンジンの耐久性、パーツの精度、足回りの強さなど、どれをとっても国産車以上のポテンシャルを感じさせるメーカーです。

外観だけではなく、内面にも拘りを感じるBMWですが、この車両を見ると旧車らしいディティールが多くあります。
もちろん「見た目」なんですが、タンクが現行車に比べて低い位置にセットしてある、塗装が今ではあまり使われないパイピングライン、ブレーキのデザイン、大きいリフレクターがやたら付いているなどなど…。

追求すると現行車には無い特徴があり、旧車ならではの魅力がたくさんあります。

このような車両を見ると心躍るのは私だけではないはず。BMWも悪くはないですが「青二才厳禁」と言わんばかりの風格が漂います。まさに「大人のバイク」です。

さて今度は時計のディティールを考えてみたいと思います。

皆様もご存知、デイトナの前身モデルとなるコスモグラフref.6238。36mmの小ぶりなケースサイズに加え、ドーム型プラスティック風防、リベットブレスをはじめ文字盤にデイトナ表記が入らないだけではなく、ネジ込みプッシュではないのでオイスター表記も入らないという今では見かけることが少ないロレックスでは数少ない希少なクロノグラフモデル。

さて、この時計の最大の特徴は・・・

ロレックス コスモグラフRef.6238

文字盤上にタキメーター表記がされているところです。

1点1点ハンドメイドで造られていた当時のロレックスの文字盤。そのため経年変化で文字盤が剥がれることや、文字が剥離してしまうことが多かったRef.6238は後年、文字盤のリスク回避や生産コストを抑えるため、ベゼルにタキメーターを印字する事になったそうです。(諸説ございますが真相はいかに!!)

1950年代頃から1970年代頃にかけてロレックスの文字盤は非常に手が込んだものが多いのも特徴です。ギョーシェダイヤルやミラーダイヤル、アップライトインデックスなどそれらは熟練された職人の「業」が成せることではないでしょうか?年を重ねるごとに状態がよいものが少なくなり本当に見かけることが少なくなりましたが、極僅かに現存するRef6238のような歴史的価値のある時計を見ると、当時の趣や時代背景などが読み取れます。

ちなみの当店にございますRef.6238の状態ですが文字盤に細かいキズがあるものの、文字盤の剥離など見られず本当にきれいな状態です。これだけのコンディションの個体にはもう2度と出会えないかもしれません。

大人気のデイトナを語る上で決して外す事ができないref.6238。「古いディティール」にしか無い味わいを存分に感じさせてくれるはずです。

ロレックス コスモグラフRef.6238

※記載されている価格は2011年12月19日現在のものです。変動する可能性がありますのでご了承ください。

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