本日はこちらの時計をご紹介いたします。
PATEK PHILIPPEパテック・フィリップ カラトラバ 5123R-001
https://www.gmt-j.com/item/3717008693772
“カラトラバ”といえば最も古典的な腕時計としての伝統をもち、パテック・フィリップの中でも象徴的なコレクションです。
2針または3針で、そのほかには日付表示の有無のみでドレスウォッチとしての位置づけであると言えます。
今回紹介のモデルも、ドフィーヌ針と6時位置のスモールセコンドを備えたものです。
また、他のグランドコンプリケーションやラグジュアリースポーツモデルと比較しても、メンズモデルだけではなくレディースモデルもこれまでに多く存在し、現在公式のホームページにラインナップされているものもメンズとレディースが丁度半分ずつで、カラーバリエーションも多いことから男女問わずユーザー層が厚いと言えます。
さて、カラトラバというコレクションは実に多種多様なモデルがあり、今となってはかなり広義なものとして捉えられています。
カラトラバの元とされる1932年発表の「Ref.96」(通称クンロク)も、元々はカラトラバの名を冠して販売されたものではありませんでした。
リューズにカラトラバ十字があることから社内的に使用されていたものを、ノーチラスなどの誕生により1980年代ごろからコレクションとして分けるために公式的に用いたと言われています。
96の遺伝子を色濃く受け継ぐ現行のカラトラバ”5196″や、クルー・ド・パリベゼルの”5119″、そして今回の”5123″も全てカラトラバです。
5123R-001は2012年に誕生した、Ref.2572の復刻モデルです。
2572の特徴としては短いラグを備えている点で、それにより時計を非常にスリムに見せています。
短い分時計自体の耐久性が懸念されていましたが、復刻モデルではラグが短いのではなくケースの裏に隠すよう設計されており、ミドルケースとラグを一体化させて冷間鍛造で作られているので耐久性の面も改善されています。
この技法は金属を一つ一つを叩いて形作り上げるという緻密な作業が求められるため、時計業界の中でも限られたマニファクチュールでしか使われていません。
そんな中、パテック・フィリップでは全ての時計がそのようにして作られていますから技術力の高さと、こだわりがうかがえます。
また、5123ではケースが腕に沿うよう少し湾曲しているので着け心地も改善されています。
また、2572のインデックスは12のみアラビア数字でその他はシンプルなバーインテックス、針はバトン針でしたが、5123では全て立体的にカッティングされたバーインデックスとなり、針もドフィーヌ針に変更されより高級感のあるデザインとなりました。
十字のみのインダイヤルという特徴もそのまま受け継がれています。
時計内部には、5196や5119と同じく信頼性の高い手巻きムーブメント”Cal.215PS”を搭載しており、やはりその駆動を見る楽しみも欠かせません。