先日、上野の西洋美術館で開催されている
「ラファエロ展」へ行ってきました。
昔から美術・芸術関係は好きで、中でも絵画の展覧会は必ず足を運びます。
趣味で(下手の横好きですが)美術展に行ったら必ず
気に入った作品を模写して描いてしまうほど。
なので、今回の目的でもある「大公の聖母」を見にいき模写して楽しんでおります。
実はこの作品、後年に第三者の手で加筆されているそうです。
有名な話なんでご存知の方も多いと思いますが、
原画は背景に室内の様子や窓から見える風景が描かれており、
後年、遜色の激しい背景の部分に
絵画の価値を落とさないため、黒色で塗りつぶされているのです。
この絵にかかわらず後年加筆される事はよく見受けられるので、珍しい事では
ないのですが、絵画ファンとしては是非原画に出逢いたかったと思います。
ただそれでも絵画の圧倒的な存在感・迫力・繊細で優しい仕上がりが損われていない
のはさすが名画といった印象を受けました。
是非この絵画を生で見たことのない方は足を運んでみてください。
ということで、今回の時計は「加筆」・・・ではなく「仕様変更」をテーマに
セレクトしてみました。
まずはROLEX デイトナ Ref.116520
左:新、右:旧
初めて見る方は「・・・どこが?」といった感じでしょうね。
よ~くみると33分のところのバーが・・・
いったい何の目的でいつから・・・といったところは不明ですが、
こういった仕様変更をやるのがROLEXならではです。
続いてタグホイヤー カレラ1887
左:新、右:旧
これは分かりやすい変更だと思います。
もう文字盤のデザインが一新されて、ラグジュアリーからスポーツタイプへ、といった
趣です。正規に問い合わせたところ、「ムーブメントは変更されてません」との
事でしたが、ここまで変えるなら改良して搭載した方が良かったのでは?と
思います。(もしかしたらされてるかもしれませんが・・・)
でも、やはり新型になりタグホイヤーらしいスポーツタイプのデザインに
進化したと思います。
続いてカルティエ カリブル・ドゥ・カルティエ
W7100014 → W7100041
左:新、右:旧
これもわかりやすいです。12時位置のローマ数字の色味、4時~8時のインデックスバーの色味。
でもこちらは型番も変更されているので、「仕様変更」というか正確には後継モデル(?)に
なってしまいますね。
ただ旧型が市場に出回って短期間に新型へ切り替わったので、
実際は搭載ムーブメントを改良して変更したんじゃないかな~?と推測してます。
あくまで推測です。
同じようにこちらも・・・
IWC アクアタイマー
IW356808 → IW356801
左:新、右:旧
たぶん画像では分かりにくいと思いますが、ブレスやベゼルのポリッシュ箇所(艶有り)が
サテン仕上げ(艶なし)になってます。
単純に「コスト」面での変更かと思ったんですが、確かに「ダイバーズ」ウォッチでポリッシュ
ではなく「サテン」にデザインされるのは、キズも比較的目立ちにくいし実用的ではないかなと思います。
と色々なブランドの仕様変更をご紹介しました。これも時計の面白さの一つじゃないかと思います。
アンティーク、ヴィンテージとしての時を経た際に、「初期型」とか「第○世代だ」とか
「○○年代のモデル」とか様々な話題が続くのも、こういった機械式時計の醍醐味の一つでは
ないかと思います。