EC植田です。
今回は人気の高いクロノグラフの基本的な事についてお伝え出来ればと思います。
クロノグラフとは、所謂ストップウォッチ機能の事となります。
その多くは文字盤に2,3のインダイヤルがあり、それらによって計測します。
機能とは別にデザイン性があるため、3針のモデルと同等もしくはそれ以上のモデルが存在しています。
各ブランドも
ロレックス「デイトナ」
などなど旗艦モデルにしている事が多いように思います。
このクロノグラフはとても奥深く「構造は?」「動力伝達は?」「振動数は?」「機能の種類は?」など同じ機能でも機械自体の構造の種類が多いので、時計好きの心を揺さぶる機構だったりします。
ご存知の方も多いとは思いますが、今回はぜひ知っておいて頂きたい基本的な使用方法などについて触れていきたいと思います。
まず、クロノグラフの見方としては基本クロノグラフ針がセンター、分・時の積算計がインダイヤルに付いていることが多いです。
3針モデル等では通常秒針となる針がクロノグラフ針のため、初めてクロノグラフを持たれる方は、秒針が止まっていると思われると思いますが、クロノグラフを作動させていない場合は、12時位置で止まっているのが通常となります。
使用方法はリューズ上部ボタンでスタート、もう一度上部ボタンでストップ、下部ボタンでリセットとなります。
クロノグラフのボタンの多くは、固めになっており、また若干の遊びがありますので、軽く押しただけでは作動しないので、しっかり押しこむようなイメージで押して頂く必要があります。
また、使用する際は「スタート」→「ストップ」→「リセット」の順番は必ず守るようにお願いします。
なぜかと言うと、作動させている状態で動いている内部部品と、リセット時に動く内部部品が衝突してしまう場合があり、最悪の場合内部部品の損傷に繋がる可能性があるためです。
※フライバック機構の場合、問題ありません
また、クロノグラフを使用しない場合は、必ずリセットした状態にしてください。
センターの針は動いていてほしいと思われる方もいらっしゃると思いますが、常に動かすようには作られていないため、内部に負担がかかり精度などに影響が出る場合がございます。
さて、このクロノグラフには「タキメーター」というものが付いている場合が多くあります。
このスピードマスターのベゼルに刻まれている数字がタキメーターで、これは速度の計測などに使用します。
例えばクロノグラフを作動させた位置から、車を1km走った位置でストップさせ、クロノグラフ針が指していた数字が走行速度となります(100を指していたら時速100km)。
また、作業量を算出することも可能で、ある作業を始めた時にクロノグラフをスタートし、作業を終えた際にストップさせます。
その作業に45秒かかったとするとクロノグラフ針が80をさしていますので、その作業は1時間に80回出来ると言うことになります。
(人間の手作業の場合、そううまくは行きませんが)
お分かりの通り、実はこのタキメーター、日常生活で使うことは非常に少なく、一種のデザイン化していると言えると思います。
タグ・ホイヤーが自社ムーブ「Cal.1887」搭載のカレラを発表した際、タキメーターは使うことが無いということで、タキメーターを付けずにシンプルなデザインで発表しましたが、のちにタキメーターの要望が多かったようで、マイナーチェンジの末、タキメーター付きの現行モデルとなっておりますので、タキメーター自体人気の高いデザインといえるかもしれません。
他にも「ブライトリング ナビタイマー」で用いられる回転計算尺が付いたモデルがあります。
この回転計算尺は内側の目盛と回転ベゼルのメモリを使って速度や距離、燃費の計算や、割り算、掛け算を行うことが出来るのですが、過去にパイロット用に作られたもののため、こちらも現在では、デザイン化していると言えると思います。
他にもクロノグラフには多数の機能があり、「ブレゲ TYPEシリーズ」
が代表的な瞬時に再測定が出来る「フライバック」、
ピッチ測定が出来る二重クロノ針のスプリットセコンドなどがあります。
また、クロノグラフを代表するムーブメントといえば、「エル・プリメロ」です。
1969年に発表されながら、50年近くクロノグラフの代表的な存在であり、おそらく今後も長きに渡って代表的な存在であり続けると思われます。
過去にはロレックス デイトナ「Ref.16520」、タグ・ホイヤーの「Cal.36」のベースムーブとして提供、またパネライにも提供していた過去があります。
「エル・プリメロ」の象徴といえば、なんといっても1/10秒を計ることができるハイビートではないでしょうか。
このハイビートの特性を活かしたモデルがゼニスにあります。
「ゼニス エル・プリメロ クロノマスターオープンパワーリザーブ 」
バックスケルトンなだけでなく、文字盤上部の窓からエル・プリメロの心臓部分を見ることが出来るため、ハイビートを目視で体感できるモデルとなっています。
ムーブメントをデザインの一つにしてしまうのは、心憎さと同時にゼニスのエル・プリメロへの自信がうかがい知れます。