目を疑うようなエングレビーング装飾

2012年12月05日

お久しぶりです。近藤です。

私の実家の稼業が金属彫刻といういう業種を生業としておりましたので、幼少の頃、祖父や父が作業場で仕事をしているのを興味深く眺めいていた自分を覚えています。父からは絵を描く楽しみを教えられ、そのお蔭で小学高から高校まで美術の成績はつねに5段階評価で5をもらえるくらいに上達し、父からはお前はセンスがあるから家業の後を継げと言われ続けていました。時代の流れに取り残され家業も廃業に至り、数年前父も亡き人となりました。私もいつの日か美術に対する興味は音楽の方にシフトしてしまって、今ではすっかり絵を描く習慣もなくなってしまいました。         

以前よりGIBSONのSJ-200 というアコースティックギターを所有しております。  格安価格で売りに出ている中古品を衝動的に購入した為、既にかなり弾き込まれた状態で、ピックガード部分の装飾が、前オーナーの激しいストロークの為に消えかかっていました。自分自身が弾き込んで消えてしまったならば、それはそれでヒストリーとして受け入れられたのでしょうが、消えかかったエングレービングを眺めていたら修復したいという欲求にかられ、沸々と失われた創作意欲に火がついてしまい、作業に取り掛かった次第であります。
先ずはハンドリューターを使用し、エッジが丸くなってしまった装飾部分を塗料が流れないようにある程度の深さでエングレーブしていきます。(GIBSON社ではこの部分は、熱した型をピックガード部分のプラスチックにスタンプする方法で行っているようです。)

最終的にオリジナルに近い色合いに調合したラッカー塗料で塗装していきます。

完成しました。手前味噌ですが我ながらなかなかの出来栄えだと思います。

家族からの影響もあって日頃から、時計の外装部の装飾に関して非常興味があります。(勿論、内部機構にも興味はあるのですが、、、)

作業中に、A.LANGE&SOHNEのムーブメントに施されたエングレービングの素晴らしさを思い出しました。

A.LANGE&SOHNEのムーブメントにエングレービング出来る職人は同社内に数名しかおらず、1人1人の癖が異なる為、同社内では見る方が見れば、誰が彫ったか一目瞭然だということです。失敗出来ない作業で非常に神経を使うことが想像できます。

まさに職人魂が結実した唯一無二の時計です!! 

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http://www.gmt-j.com/search/?maker=287

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