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現在行われているWINTER FAIRですが、本日のテーマは「命を吹き込む喜びを。手巻きモデル特集」です。
こちらのテーマより、オススメの時計をご紹介いたします。
A. LANGE & SOHNE ランゲ&ゾーネ サクソニア 37mm 215.026
ランゲ&ゾーネ最大の魅力は、何と言ってもその美しいムーブメントです。
今回はその素晴らしさを詳しくご説明させていただきます。
最も特徴的なのは、テンプ受けに装飾された手彫りの「エングレービング」と「スワンネック緩急針」です。
精度を調整するための「緩急針」には、エタクロンやトリオビスといった種類がありますが、安定性に優れた「スワンネック」は最も審美性の高い緩急針として知られています。
この手間の掛かったテンプ受けは、ムーブメントに明るくない方でも高級感を感じられるのではないでしょうか。
続いて「ブレゲひげ」と「チラネジ付きテンプ」です。
「ブレゲひげ」は立体的に巻き上げられた「ひげゼンマイ」のことであり、平面的に巻かれた「平ひげ」と比べて伸縮時の偏りが軽減され、姿勢差に強く精度が高くなりやすい仕様となっています。
「チラネジ」は、製作精度の悪かった時代に「テンプのバランスを取る」ため或いは「バイメタル切りテンプの精度調整」のためテンプに取り付けられておりました。
現代では製作精度が上がって、正確なテンプを製造することが可能となり温度に対する弾性変化や体積変化が小さい合金が開発されたため、不要となった機構です。
しかしながら高い審美性を持つチラネジ付きテンプは、手間暇を掛けて時計作りをするランゲ&ゾーネにおいて未だに生産され続けている伝統的な仕様となっています。
最後に「ゴールドシャトン」です。
高級時計のムーブメントでは、歯車の軸受けに「人工ルビー」を使用することはご存知の方も多いかと思います。
ランゲ&ゾーネのムーブメントはルビーの周りを「ゴールドシャトン」と呼ばれる金のカップで覆いそれを青焼きビスで留めていることが見てとれます。
これは古い懐中時計に見られるディテールで、軸受けのルビーを正確な位置に取り付けるためのものでした。
金属加工技術の向上した現代ではこれほど手の込んだことをせずとも正確な取り付けが可能になったため、ルビーを直接埋め込んでいるムーブメントがほとんどですが、ランゲ&ゾーネは未だに当時の技法を踏襲しています。
このように、ランゲ&ゾーネの時計には現代の加工精度であれば、本来不要とも言える過去の技法が使われています。
そして驚くべきは、サクソニアにこれらを採用していることです。
ランゲ&ゾーネはたいへん高価なブランドですが、これだけ手間暇を惜しまず製作されたサクソニアは、ブランドのエントリーモデルの位置づけでありながら一生モノになり得る素晴らしい腕時計と言えるでしょう。
▼今回ご紹介した時計はこちら
A. LANGE & SOHNE サクソニア 37mm 215.026
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それでは、素敵な時計ライフをお過ごしください。