GMTスタッフブログをご覧の皆様、こんにちは。
本日もご覧いただき誠にありがとうございます。
5月にもかかわらず、暑さを感じる日々が続いており、夏の訪れを感じます。
さて今回は、私が個人的にNo.1の時計だと考えているエクスプローラーについてご紹介し
たいと思います。
エクスプローラーの歴史
皆様もご存じのようにエクスプローラーの歴史は様々な探検や冒険の情報をもとに作り上げられた腕時計です。
その歴史は1953年にまで遡ります。
この年、ジョンハント氏が率いたエベレスト遠征隊のエドモンド・ヒラリー氏とテンジン・ノルゲイ氏によって、歴史上はじめてエベレストが登頂されました。
彼らの歴史的偉業を記念して同年に発表されたのが、初代エクスプローラーである『Ref.6350』になります。
歴代モデルの紹介
第一世代
Ref.6350
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製造期間1953年~1954年
ムーブメント:Cal.A296
防水性能 50m
ケースサイズ 36mm
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1953年から54年とわずか一年間のみの製造となった貴重な腕時計です。
その製造年数の短さと販売から70年以上経過した現在では、入手どころか個体を見るということすら難しくなってきています。
『Ref .6350』の最大の特徴はその文字盤にあります。
ハニカム文字盤と呼ばれるこちらの文字盤は、文字盤の表面に格子状のギョーシェ彫りをあしらった物で、同年に開発された初代サブマリーナ『Ref.6204』にもこの仕様は用いられています。
さまざまなモデルにハニカム文字盤が採用された理由として、風防の形が原因として考えられます。
当時のドーム型の風防は、光を反射する形状です。
特に側面から見てみるとふっくらとしているのが分かるかと思います。
この反射光への対策として採用されたのがハニカム文字盤なのです。
『Ref .6350』の文字盤には、ハニカム文字盤とミラー文字盤が存在していますが、特にハニカム文字盤は希少価値が高いモデルとなっています。
第二世代を紹介する前に今回、第一世代の『Ref .6350』を紹介するにあたって、同時期に流通した『Ref.6150』やカナダで製造された『Ref.6298』などを紹介するべきか、非常に迷いましたが今回は正当な系譜のみとさせていただいています。
第二世代
Ref.6610
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製造期間1955年~1957年
ムーブメント:Cal.1030
防水性能 50m
ケースサイズ 36mm
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こちらも1955年から57年の、わずか二年間の製造となった貴重な腕時計です。
現在のエクスプローラーにまで続く、3、6、9のインデックスやベンツ針などといったスタイルを確立したのが『Ref.6610』であり、エクスプローラーの歴史を語る上で外せない腕時計です。
まず特徴的なのが防水性能を表記したものが存在している点です。
『Ref.6610』の中には防水性能が表記されたものが存在しています。
通称レッドデプスと呼ばれるこの個体は、エクスプローラーに限らず50年代中期のロレックスの各モデルに散見される仕様です。
文字盤の防水表記を赤色でプリントすることで、高い防水性能をアピールすることが目的だったと考えられますが、こちらも『Ref.6350』のハニカム文字盤と同様に希少性が高いモデルとなっています。
また搭載された『Cal.1030』もロレックスの歴史上、重要なムーブメントです。
それまでの自動巻きムーブメントは手巻きのムーブメントに自動巻きユニットを重ねた分厚いもので、裏蓋に膨らみを持たせていたことからバブルバックと呼称されます。
新たに開発された『Cal.1030』は世界初の両方向巻き上げ式のムーブメントで、回転効率をアップさせるためにバタフライローターを搭載。
またムーブメント自体が薄くなったことからフラットバックと呼ばれる平らな裏蓋が採用されています。
第三世代
Ref.1016
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製造期間1960年~1989年
ムーブメント:Cal.1560・Cal.1570
防水性能 100m
ケースサイズ 36mm
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1960年に誕生した3代目のエクスプローラーである『Ref.1016』は従来までの二世代と比較すると製造年数が約30年と非常に長く、歴代のエクスプローラーの中でも圧倒的なロングセラーモデルになります。
30年という長い製造期間の中でさまざまなマイナーチェンジが加えられているため、市場での評価と人気が高くなっています。
その中でも特に評価されるのが文字盤の仕様となっています。
『Ref.1016』の文字盤について
1, サークルミラー文字盤
製造期間.1960年~62年
『Ref.1016』の製造、最初期にのみ存在しているサークルミラー仕様の文字盤。
文字盤外周部分の分目盛を円でつないだミニッツサークルに、艶のある鏡のようなミラー文字盤が特徴的です。
大きく分類すると3種類存在している文字盤の中でも最も製造期間が短くなっています。
2.ミラー文字盤
製造期間.1962年~67年
先述したミニッツサークルが廃止され、ミラー文字盤のみとなったのがこちらの第二世代です。
この時期はラジウムからトリチウムへと夜光が変更されたため、それに伴った仕様変更が多く存在しています。
3.マット文字盤
製造期間67年~89年
現在事象に流通している『Ref.1016』のほとんどがこちらのマット文字盤だと思います。
製造年数が前述した二種類の文字盤と比べると、約20年と非常に長く、またその年数の長さから6~7種類のマイナーチェンジが確認されています。
第四世代
Ref.14270
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製造期間1990年~2001年
ムーブメント:Cal.3000
防水性能 100m
ケースサイズ 36mm
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近年ポストヴィンテージモデルとして高い人気を誇る『Ref.14270』。
時計愛好家としても有名な俳優が着用したことにより、90年代中盤から人気が爆発した腕時計です。
そんな『Ref.14270』ですが前述した『Ref.1016』と同様に文字盤に、いくつかのバリエーションが存在しています。
『Ref.14270』の文字盤について
1, ブラックアウト・シルバーレター
3、6、9のインデックスにブラックのラインが入っているものを「ブラックアウト」、王冠のロゴマークやEXPLOERの表記をシルバーカラーで行っているものを「シルバーレター」と呼びます。
シルバーの塗料の影響かは不明ですが、全体的にロゴとテキストが太くなっているのも特徴の一つです。
この二つの仕様は生産開始の90年~91年ごろの個体にわずかに存在している珍しい仕様です。
2、ブラックアウト・ホワイトレター
王冠のロゴマークやEXPLOERの表記をホワイトカラーで行っているものを「ホワイトレター」と呼びます。
先ほど紹介した「シルバーレター」よりも後年に製造されていたとされる仕様ですが、こちらも流通数が非常に少なく貴重な文字盤となっています。
60年代から80年代にかけて販売されていたヴィンテージロレックスが高騰化し枯渇していく中で、ラグ部分の横穴の有無、バックルの仕様、トリチウム夜光の経年変化などを楽しむことができると同時に、優秀な『Cal.3000』の搭載、サファイアクリスタルガラスの採用など実用的にも使用して頂ける、今後注目の世代です。
第五世代
Ref.114270
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製造期間2001年~2010年
ムーブメント:Cal.3130
防水性能 100m
ケースサイズ 36mm
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『Ref.14270』の完成されたデザインをそのままに、より実用性を高めて作り上げられたのがこちらの『Ref.114270』です。
大幅なデザインの変更は無く、2007年ごろにロレックス全体で行われたルーレット刻印の追加と2009年頃(V品番)に僅かに流通が確認されている通称ブラックアウトが主なデザインの変化となります。
搭載されている『Cal.3130』は、テンプを支えるブリッジを、両側から支えるツインブリッジに変更することで、安定性を向上し、より堅牢な作りを実現したムーブメントです。
また、調整機構が「マイクロステラナット」へと変更されることで、精度の調整が可能となり、メンテナンス性も向上しています。
2010年以降に販売されたロレックスのムーブメントの根幹は間違いなく『Cal,3130』にあり、2024年現在でも安心して『Ref.114270』が安心して使用できるのはこのムーブメントが役割をしっかりとこなしているからだと思います。
第六世代
Ref.214270
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製造期間2010年~2021年
ムーブメント:Cal.3132
防水性能 100m
ケースサイズ 39mm
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初代エクスプローラーより続いていた、ケースサイズに初めて手が加えられたのがこちらの『Ref.214270』になります。
近年のロレックスは製造過程の統一化などにより、60年代から90年代のモデルのような大幅なデザイン変更やマイナーチェンジは少なくなっています。
ですが、この『Ref.214270』は新たな層の獲得を目指して作られた腕時計、ということもあり大幅な変更が加えられた珍しいモデルです。
『Ref.214270』の文字盤について
1.ブラックアウト文字盤
製造期間.2010年~2016年
エクスプローラーのアイデンティティでもある3、6、9のインデックスがホワイトゴールで作られたのがこちらのブラックアウト仕様です。
掲載している画像でも判別が可能ですが、『Ref.114270』で使用していた針を使用していたため、視認性を重要視するロレックスにしては珍しく、目盛に届かないという、ある意味では珍しい仕様となっています。
2.新型文字盤
製造期間.2016年~2021年
2016年にマイナーチェンジが加えられたことにより、誕生したのが、こちらの仕様です。
ブラックアウト仕様となっていた3、6、9インデックスに、視認性向上のため夜光を搭載、また短いと指摘されていた分針をケースサイズに合わせサイズアップし、より高い視認性を実現しています。
この二種類の文字盤の評価は非常に難しく、特に販売当初、一部では不満も出ていたブラックアウト仕様ですが、2024年現在では新型文字盤よりも販売価格が高騰するなどの動きを見せておりこちらも注目の世代です。
現行世代
Ref.124270、Ref.224270
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製造期間2021年~現在・2023年~現在
ムーブメント:Cal.3230
防水性能 100m
ケースサイズ 36mm・40mm
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『Ref.124270』は36㎜ケースの正統後継者として、『Ref.224270』は39㎜ケースの後継者としてそれぞれ製造されたモデルになります。
エクスプローラーのアイデンティティであるデザイン面をそのままに、『Cal.3230』を搭載したことでパワーリザーブが70時間へと進化、より実用的に使えるモデルになっています。
また新たなラインナップとして、エクスプローラー史上、初めてとなるイエローゴールドとのコンビモデル『Ref.124273』もラインナップに追加されているため、現行モデルは様々なバリエーションから選ぶことが可能となっています。
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いかがでしたでしょうか。
探検や冒険といった非日常から始まった腕時計ではありますが、今やさまざまな方の相棒として世界中のさまざまな場面で活躍しているエクスプローラー。
バリエーション豊かな現行のモデルから、ロマンが詰まったヴィンテージモデルまで、様々なモデルがございます。
ぜひ自分のスタイルにあった一本を探してみてはいかがでしょうか。
過去にGMTマスターについてもお話しています。
ぜひ、こちらもチェックしてみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、素敵な時計ライフをお過ごしください。